基地内避難路 歩いた 住民ら課題確認

訓練で基地内の避難経路を歩く宜野湾市、北谷町の職員や住民ら=12日午前10時半すぎ、キャンプ瑞慶覧

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米軍基地内の避難ルート/新避難ルート

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2012年9月13日 09時47分
(9時間3分前に更新)

 【中部】米海兵隊は12日、宜野湾市伊佐と北谷町北前の住民や両市町の関係者ら約70人をキャンプ瑞慶覧に招き、避難訓練を実施した。住民らは災害が発生した場合に限って使用できる基地内のルートを歩き、「ずっとなしのつぶてだったが、ようやく動いた」と胸をなで下ろす。一方で「司令官が代わっても確保できるよう協定化を急いで」「表示板がほしい」「川を避ける避難路も」と避難路の保証や最短ルートの確保などを求めた。

 参加者は自治会や自主防災組織のメンバーのほか、防災や福祉、消防担当の役場職員など。

 訓練は地震発生から3時間後を想定。午前10時に基地内からサイレン音が響き、英語と日本語で津波警報の発令を伝える放送の後、参加者が国道58号沿いの北前ゲートから基地内に入った。

 海兵隊員の誘導で、高台へつながる約1・6キロの避難路を約30分歩行。「普天間川を越えるが、津波がさかのぼって流れ込まないか」「夜間の場合は迷って、逆に避難が遅れないか」「災害弱者のための飲み水がほしい」。それぞれの立場から課題が挙がった。

 伊佐区は東日本大震災から3カ月後、県内でいち早く津波対策の看板を設置し地域で訓練している。宮城奈々子自治会長は高齢者の長距離歩行が厳しいと指摘。「北前ゲートは伊佐から遠い。昔、集落寄りにあったゲートを、災害時に再び開ける手続きをしてほしい」と求めた。

 北前自治会からは20人が参加した。田里友清自治会長は「まずはコースを確認できて良かった。これから自治会や役場と話し合い課題を検討したい」と災害への備えを一層、向上させたい考えだ。

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