韓国で先物投資などをしていた40代の自営業者が、フィリピン・ルソン島のアンヘレスにある住宅の裏庭に埋められているのが見つかった。カジノ事業などを目的にフィリピンに滞在していたこの男性(41)は、現地で顔見知りだったJ容疑者(32)ら4人により、首を絞められ殺害されたことが分かった。韓国警察はフィリピン警察と協力し、容疑者3人を逮捕したが、主犯のJ容疑者は現在も逃亡を続けている。
ソウル江南警察署によると、容疑者らは先月21日午後9時ごろ「夕飯を一緒に食べよう」と言って、男性をマニラ市内にあるマリオットホテルの近くに誘い出し、車に乗せた後、テープやタオルで鼻と口をふさぎ首を絞めて殺害した疑いが持たれている。その後、容疑者らはマニラの北側にあるアンヘレスに向かい、1年契約で借りている住宅の裏庭に男性の遺体を埋め、セメントを注入した、と警察は説明した。さらに、主犯のJ容疑者は男性の金庫の鍵などを奪い、マニラ市内の男性の滞在先から数千万ウォン(1000万ウォン=約69万円)相当の金品を盗んだ疑いも持たれている。
警察はJ容疑者など、フィリピンに滞在するローリング業者(カジノに客を呼び込み、一定額の手数料を受け取る業者)が最近、ホテルのカジノで数億ウォン(1億ウォン=約690万円)の損失を出したため、殺害を計画したものとみている。被害者の男性は韓国国内のホテルの元役員の息子で、フィリピンのホテルなどで主犯のJ容疑者と知り合い、兄弟のように親しく付き合っていたという。
警察は「フィリピンに渡航した息子と連絡が取れない」という男性の親からの通報を受け、私立探偵の協力を得て現地で携帯電話の追跡を行った結果、容疑者3人を逮捕、男性の遺体を遺棄した場所などについて供述を得た。だが、犯行を主導したJ容疑者は先月26日ごろに逃亡した。
警察の関係者は「男性の遺体は、ショベルカーを使わなければならないほど深い場所に埋められていた。逃亡したJ容疑者の行方を追う一方、怨恨など詳しい犯行動機について追及していく方針だ」と語った。