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リビア 米領事館襲撃で米大使死亡
9月12日 23時1分

リビア 米領事館襲撃で米大使死亡
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アメリカで制作された映像がイスラム教の預言者を侮辱していると抗議して、武装した集団がリビアのアメリカ領事館を襲撃した事件で、アメリカのオバマ大統領は、現地のアメリカ大使を含む4人のアメリカ人が死亡したことを明らかにし、事件を強く非難しました。

リビアやエジプトでは、アメリカで制作された映像に、イスラム教の預言者、ムハンマドを侮辱する内容が含まれているとして、抗議のデモが広がっていて、このうち、リビアでは、11日、東部の都市ベンガジにあるアメリカ領事館が武装した集団による襲撃を受け、放火されました。
この事件で、アメリカのオバマ大統領は、12日、声明を出し、リビアに駐在するアメリカのスティーブンス大使を含む4人のアメリカ人が死亡したことを明らかにし、「非道な襲撃を強く非難する」と述べました。
また、声明で、オバマ大統領は、リビアに滞在するすべてのアメリカ人の安全の確保に全力を挙げるとともに、世界各地のアメリカ政府の関係施設の警備を強化するよう関係部局に指示したことを明らかにしました。
一方、リビア内務省は、12日、ベンガジで記者会見し、事件について、「市民が平和的な抗議デモをしているところに、領事館側から発砲があり、これに怒った市民が暴徒化した」と説明しています。

“無分別な暴力に断固反対”

アメリカのオバマ大統領は、12日、声明を発表し、「ベンガジにあるアメリカ領事館で、スティーブンス大使を含む4人のアメリカ人の生命が奪われた。非道な襲撃を強く非難する。アメリカ政府は、他者の宗教を誹謗するいかなる行為も否定するが、同時に、今回の襲撃のような無分別な暴力には断固、反対する」と述べました。
さらに、クリントン国務長官も声明を発表し、「リビアの人々のよりよい将来のために尽くしていた4人の命を奪った冷酷な襲撃を強く非難する」と述べました。
声明の中で、クリントン長官は、スティーブンス大使が、11日夜、襲撃による負傷が原因で死亡したとしていますが、4人が死亡した状況など、詳しいことは明らかにしていません。
スティーブンス大使は、21年間にわたって外交に携わってきたベテランの外交官で、数か月前にリビアに着任したばかりだったということです。

リビア議長が謝罪

襲撃事件を受け、リビアの民主化プロセスを担っているリビア議会のマガリエフ議長は、12日、首都トリポリで記者会見し、「犠牲になった方に対し、申し訳ない」と述べ、謝罪しました。
そのうえで、「預言者ムハンマドを侮辱する映像は非難されるべきだが、あのような形で復讐することは決して許されない。犯罪者は必ず見つけ出す」と述べ、アメリカ領事館を襲撃した武装集団の摘発に全力を挙げる考えを示しました。

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