女性への暴力を当然視、中高生のゆがんだ性意識

 中学生への性教育を担当する講師Aさん(31)は、今年初めに京畿道の中学1年の男子生徒約30人に性教育を行った際、何度も戸惑う場面に遭遇した。Aさんが「男女間の性と聞いて思い浮かぶものを挙げてみて」と言うと、学生は「女を犯す」「集団プレーすること」などと答えた。ある男子学生は「脚を露出して歩く女性は性暴力を誘発する存在だ」と答えた。Aさんは「わいせつ物の影響か、女性を暴力的に扱うことを当然のことだと考える学生が増えている」と指摘した。

 韓国女性政策研究院が昨年、中学生と高校生4810人を対象に性に関する意識調査を実施した結果、男子学生の7.4%(197人)が「女性は男性に乱暴に扱われると性的刺激を感じる」と答えた。それに同意した女子学生は3%(70人)だった。また、男子学生の5%(139人)、女子学生の4%(88人)が「暴力は男性が女性を性的に興奮させる方法の1つだ」と答えた。

 こうした調査結果は、男女間の性的関係で暴力を当然のことだと考える学生が少なくないことを示すものだ。

 男子学生の29%(773人)は「男性は金銭を払い性的関係を持つことができる」と答えた。女子学生の8.8%もそれに同意した。また、男子学生の19%(528人)、女子学生の15%(311人)が「男性の性的衝動は本能的なものなので、抑制することはできない」と答えた。

 女性政策研究院は「性的刺激を与えるための男性の性的暴力、売買春を肯定する傾向が、女子学生より男子学生に強く見られた。こうした学生は実際の性生活でも刺激的、暴力的な行為に及ぶ可能性が高い」と指摘した。

 専門家は学生のゆがんだ性観念について、幼い頃から乱暴な場面が登場するわいせつ物に接してきた影響が大きいと指摘する。青少年の集団性暴力、性的暴行の場面を動画で撮影して流布するなどの事件は、全てわいせつなコンテンツを模倣した行為である可能性が高い。女性政策研究院のチャン・ミヘ博士は「たばこのパッケージにたばこの害に関する警告を入れるように、子どもたちが見るインターネットサイトで正しい性意識を植え付けるための動画を流すことを検討すべきだ」と提言した。

キム・ヨンジュ記者
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