自民総裁選 安倍氏が立候補表明9月12日 20時20分
自民党の安倍元総理大臣は党本部で記者会見し、今月26日に行われる自民党総裁選挙について、「国難の今だからこそ、総理大臣のときに学んだことを生かして立ち向かう決意をした」と述べ、正式に立候補を表明しました。
この中で、安倍元総理大臣は、「日本の美しい海や領土が脅かされようとしており、デフレや円高による経済の低迷で、若い人たちは夢や希望が見いだせないでいる。国難の今だからこそ、総理大臣のときに学んだことを生かして立ち向かう決意をした」と述べ、正式に立候補を表明しました。
そのうえで、「戦後体制の鎖を断ち切り、憲法改正に取り組まなければならない。また、力強い経済を手に入れることこそ、強い社会保障につながる。消費税率引き上げの前に、デフレから脱却するため、政策を総動員することが必要だ」と述べました。
また、安倍氏は、5年前の9月12日、総理大臣の辞任を表明したことについて、「病気のためとはいえ、突然、総理大臣の職を辞する結果となり、心からおわびしたい。今は心身ともに健康で、もう一度挑戦する決意をした」と述べました。
安倍氏は衆議院山口4区選出の当選6回で、57歳。
父親で外務大臣などを歴任した、故・安倍晋太郎氏の秘書などを経て、平成5年の衆議院選挙で初当選しました。
そして、党の幹事長や官房長官などを経て、平成18年に、戦後最年少の52歳で、第90代の総理大臣に就任しました。
在任中は、小泉元総理大臣の靖国神社参拝問題で関係が冷え込んでいた中国や韓国を訪問して、関係改善に努力する一方、「戦後体制からの脱却」を掲げて、改正教育基本法や憲法改正の手続きを定める国民投票法などを成立させました。
町村氏“願わくば一本化したかった”
町村元官房長官は、東京都内で記者団に対し、同じ派閥の安倍元総理大臣の立候補表明について、「願わくば一本化したいという思いがあったが、安倍氏が自分の信念に基づいて行動されるのであれば、堂々と立候補するのは当たり前だ。安倍氏本人からも立候補について話があり、『お互いにしっかりと戦っていこう』と話した」と述べました。
そのうえで町村氏は、総裁選挙が5人の候補者による争いとなる見通しであることについて、「志のある人が信念や政策をアピールするのはいいことだ。私は教育をライフワークだと思って30年近く仕事をしており、その姿勢は貫いていきたい」と述べました。
石破氏“意義あること”
石破前政務調査会長は、奈良市で記者団に対し、安倍元総理大臣の立候補表明について、「総理大臣まで務めた方が『やらなければならないことがある』として立候補するのは、とても意義のあることだ。立候補を巡っていろいろな意見があることは安倍氏本人も十分知ったうえで、国家・国民に対する責任を果たすために決断したのだから立派なことだ。大いに政策論争をしたい」と述べました。
また、石破氏は、自民党総裁選挙が合わせて5人の候補者による争いになる見通しであることについて、「自民党には政策の実行力があり、豊富な人材がいるということを、選挙を通じて広く国民に認識してもらえれば、すばらしい」と述べました。
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