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映画用フィルム 生産終了へ
9月12日 15時24分

映画用フィルム 生産終了へ
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映画のデジタル化が急速に進むなかで、国内で唯一、映画用のフィルムを生産していた富士フイルムが、来年春ごろまでに生産を終了することを決めました。
映画業界からは、生産の継続を望む声も出ています。

100年以上の歴史がある映画は、多くの名作がフィルムで撮影されていて、フィルムならではの暖かみのある柔らかな映像美が、製作者から好まれてきました。
しかし、近年の映画は、デジタルのカメラで撮影されるようになったほか、映画館の映写機のデジタル化も急速に進んでいます。
こうしたなか、富士フイルムは、映画用のフィルムを80年近く生産し続けてきましたが、採算が合わなくなったとして、映画撮影用のフィルムと、映画館で上映するときに使うプリント用の「ポジフィルム」の生産を、来年春ごろまでに終了することを決めました。
一方、デジタルの映画をフィルムにコピーして保存するケースが増えているため、保存用のフィルムは継続して生産するということで、富士フイルムでは「今後も映画製作の現場に貢献する活動は続けたい」としています。
10日、富士フイルムの担当者からこのことを伝えられた、日本映画撮影監督協会の兼松熈太郎理事長は、「映画の歴史はフィルムの歴史でもある。デジタルにもよさはあるが、フィルムにしかないよさもあるので残念だ。少しでも残るよう、今からでも何か運動をしたい」と話しています。

若松孝二監督“やはりさみしい”

これまでにフィルムとデジタルで合わせて100本以上の映画を作ってきた、若松孝二監督は、国産のフィルムの生産がなくなることについて、「フィルムの時代からずっとやってきたので、やはりさみしいです。手前にピントを合わせて奥をボケさせるなど、映像の深みや色の渋さを出すには、フィルムはデジタルよりも優れていると思います」と話していました。
そのうえで、「デジタルだときれいに撮影できるし、フィルム代や運送費などの経費もかからないなど、よい点もあり、時代の流れだとは思います」と話していました。

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