インターネットの「掲示板」による睡眠薬の無許可販売事件で、薬事法違反で逮捕された神戸市長田区、無職、小寺美奈容疑者（４４）が、睡眠薬など約８０００錠を所持していたことが、捜査関係者への取材で分かった。中には向精神薬も含まれており、より罪の重い麻薬特例法違反（業としての譲渡）の疑いが強まったとして、容疑を切り替えて捜査を進める。

　捜査関係者によると、押収されたのは睡眠導入剤の「デパス」や、向精神薬の「ハルシオン」「ベゲタミン」など計５６種類。小寺容疑者が不眠症の治療で通院していた兵庫県内の病院で処方され、１０錠１５００〜３０００円で販売していたという。睡眠薬同様、向精神薬も販売目的所持の可能性が高いとみて、販売実態の裏付けを進めている。

　県警によると３月、玉名市に住む女性から「息子がインターネットで大量の睡眠薬を買っている」と玉名署に相談が寄せられ事件が発覚。福岡県うきは市の女性会社員（４３）に８月末、医薬品である睡眠薬を無許可で販売したとして、同署などが今月１日に薬事法違反容疑で逮捕した。家宅捜索で当初４０００錠を確認したが精査した結果、約８０００錠あったことが分かった。【志村一也】