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「サラリーマンに向いていない」人が向き合うべき5つの問い

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2012/09/13


僕を含めて、たまに「サラリーマンは向いていない」という人に出会います。そんな方に向けて質問リストを作ってみました。


会社の外で食べていけるだけの専門性を身につけようとしているか?

サラリーマンに向いていないということは、フリーランスなり企業なりの選択肢を考えているということでしょう。その場合に求められるのが、「会社の外を飛び出しても生きていけるだけの高度な専門性」です。

今の仕事が「会社の看板」の力で降ってきているようなら、注意が必要です。「サラリーマンが向いていない」と嘆くからには、会社の看板がなくても、食べていけるぐらいのビジネスができる人材でなくてはなりません。

会社に対する文句をつらつら言いながら、専門性を磨く努力をしないのはダメダメです。自分の自由な時間の大半を、外界で通用するスキルを磨くために費やす、ぐらいの意気込みが必要です。


人を巻き込む力があるか?

フリーランスではなく、複数名を巻き込んだ起業を考えている場合には、CEOは必ずしも高い専門性が求められるわけではありません(もちろんあるに越したことはありませんが)。

起業を考えている場合には、優秀な人を巻き込めるだけの、強い問題意識とビジョン、そしてプレゼン能力が求められます。「こいつが船長だったら面白そうだ」と思わせるような人物にならなくてはいけません。

これはある種「天性」の部分もあるので、難易度としては専門性を磨く方が簡単だと思います。「巻き込む力」はテクニック的に学べる部分もありますが、その人の人生に深く関わる問題なので、専門性の錬磨に比べてコントロールは難しくなります。「人徳をどうやって磨くか?」みたいなざっくりとした問いにしかなりません。

特に人を巻き込む力がない、または事業的にも巻き込む必要性がない、という場合は、専門性の錬磨に力を入れるのがベストでしょう。


生活コストを落とすことができるか?

サラリーマンの最大のメリットは「月給」です。毎月決まった時期に決まった給料が入ってくるというのは、さながら砂漠のオアシスに安住しているかのような安心感です。

サラリーマンをやめるということは、そういうオアシスから飛び出すということです。オアシスの外は厳しい環境なので、自然と生活を切り詰める必要性に駆られるでしょう。

例えば、家賃の高い物件に住んでいる、ローンがある、金銭的な贅沢が大好き、という方は、生活を改めることになります。特にローンは強烈な縛りになると思います。サラリーマンをやめる以上、生活における損益分岐点を、最小限まで落とす覚悟を持ちましょう。


助けてくれる人はいるか?

サラリーマンをやっていると、あまり意識しないことですが、会社という仕組みは「セーフティネット」としても機能しています。

皆さんがもし突然体調を崩したときにでも、雇用保険なり有給なり、収入がゼロにならない仕組みが用意されているのです。育休、産休なんてものも、フリーランスにはない素晴らしい仕組みです。極端な例では、Googleは、社員が亡くなった際に「遺族年金」を提供するという制度すら用意しています。

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サラリーマンをやめるということは、こうした雇用・社会保険のセーフティネットを捨てるということです。もし自分の身に何かあったら、生活保護など、公的なセーフティネットに頼ることになります。何らかの事情でそれらの公的扶助が頼れないとなると、一気に奈落の底に落ちてしまいます。

フリーランスなり起業なり、会社という安定を捨てる以上は、何かそれを代替する仕組みを自分のために用意しておくべきです。僕の場合は無償のスキルボランティア(プロボノ)や、こうした情報発信を通して、万が一のときのための備えを形成しています。

半分冗談で語るんですが、2万人もフォロワーがいれば、もし僕が本当に飢え死にしそうになったとき、多分お米とかくれると思うんですよね。それは僕のプライベートなセーフティネットというわけです。お米だけでなく、仕事をくれる仲間がいれば、公的扶助に頼らなくても生きていける可能性もあるでしょう。

自分が助けてもらうためにも、まずは誰かを助けましょう。サラリーマンを脱出するのなら、人的なセーフティネットを形成しなくてはなりません。


結局あなたは何がしたいのか?

「サラリーマンが向いていない」というネガティブな感情に任せて、会社をやめたとしても、その先に幸せが待っているとは限りません。嫌な場所から抜け出すことができても、「次にどこに行くべきか」が定まっていないと、結局は宙ぶらりんの状態になってしまいます。オアシスを出て、砂漠でひからびかけて、結局はオアシスに戻ることになるでしょう。

かなり心身的に摩耗している場合(うつ病気味、体を壊しそう)においては、「まず逃避すること」が重要ですが、そうでないとしたら、ぜひとも「逃避する先」を考えておくべきです。

会社を辞めて、何がしたいのか。どういう問題を解決したいのか。それを一生、死ぬまで、低賃金でも続ける覚悟はあるのか。そういう問いと真摯に向かい合うことをおすすめします。


という感じのことを考えてみました。皆さんのご意見やご感想をぜひ、コメント欄やツイッターでお寄せください。


関連本。僕のブログから100冊以上出ている、新しい働き方本の決定版的な一冊。


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