白砂糖T 

白砂糖についての私見

〇白砂糖で利益を得る人たちの巻き返し
私の記憶によりお話しますと、30年前頃?には「白砂糖は骨を溶かす」「歯も溶けていく」などという極端な話が広まっていました。その後、20年前頃?から白砂糖の業界団体による巻き返しが始まりました。「白砂糖は脳に栄養をもたらす」「身体にとっては良いもの」という宣伝がそれです。特に、ここ10年位はラジオのCMなどで、俳優が出演して「脳に栄養」などという宣伝がされていましたが、「スイーツ」としてマスコミが取り上げてからは宣伝の必要もなくなったのか、徐々にCMが少なくなっていったように思います。

〇白砂糖はそんなに悪いのか?
 実際に、白砂糖は人体にどのような作用を及ぼすのでしょうか?答えは「肉体労働や運動などで充分に身体を使っている人が、作業(運動)の合間に多少の白砂糖を摂っても害にはならない(脾虚や腎虚の人を除く)。頭脳労働をしている人が、身体を動かさずに白砂糖食品でストレスを発散させるのであれば、百害あって一利なし」です。

〇なぜ身体に悪い?
 白砂糖をとると、急激に血糖値が上がります(白砂糖の宣伝は、この血糖値の急上昇のことを「脳にエネルギー」と称しています。それはあながち間違いではありません。)。ところが、急上昇の後に急下降します。この下降は何も食べない時よりも急激です風景の哲学を夢見て・特集「砂糖」。この下降した状態が「朝礼で倒れる子供」の正体です。「朝は血糖値が低い」という体質も、白砂糖の常食・遅寝・運動不足などの生活習慣の積み重ねで、脾が虚(消化吸収したものを身体全体に行き渡らせる作用の低下)になることによって、つくられていくと考えられます。「朝は血糖値が低い」からといって、「今日よければ先のことなんてどうでもよい」とばかりに白砂糖に頼っていれば、その体質的弱点は更に弱くなりっていくばかりです。こちらも参考にしてください。若宮針灸院「砂糖の害」

〇普通の食事との違い
 普通にご飯を食べた場合、血糖値の上昇も緩やかですが、急激に血糖値が下がらないように身体ができています。白砂糖食品の多食などで血糖値を急上昇させるクセをつけると、その後急下降した所で普通の食事の自然な上昇では満足せずに、急激な上昇をさせたくなります(急上昇時の高揚感が忘れられなくなります。食後甘いコーヒーが良い例です)。それに拍車がかかると普通の食事をせずに、白砂糖食品ばかりを食べる習慣がついていきます。白砂糖食品の多食が日常化すると、血糖値の急上昇と急下降を繰り返すので、急下降時はフラフラになり、倒れたり気分が悪くなったりします。そうなると、なおさら普通の食事では満足感が得られずに、白砂糖食品の量が増えていきます。

〇月経トラブルや閉経期の症状に悪影響
 これらを繰り返すことにより、白砂糖食品を摂取しないと生活できなくなり、そこに遅寝・運動不足が加わると、食物からエネルギー(営気)を生産し身体に行き渡らせる能力が低下する(脾の虚証)ので、益々即効性のある白砂糖に依存することになります。「白砂糖食品を食べないと目が覚めない」「白砂糖を摂らないと脳に栄養がいかない」⇒「白砂糖は脳に栄養」という結論に行き着くことになります。こうした習慣が年単位で重なった結果、脾の虚から月経トラブルや閉経期の症状や近年流行しているちょうか(=下腹部の塊)となります。

〇「朝食は無理にでも摂ったほうが良い」のカラクリ
 「朝食は無理にでも摂ったほうが良い」「朝食を摂らないと集中力が欠ける」などと言いますが、白砂糖依存の食事・遅寝・運動不足などの不摂生を積み重ねていなければ、食べたくないときに無理に食べる必要はないのです。つまり、急激に血糖値が下がるクセがつかないので、一食くらい食べなくても倒れたり集中力が欠如することはありません。「食べたくない」ということは、内臓が「あまり働かせないでよ」と言っている訳ですから、食べないほうが良いに決まっています。しかし、正常な血糖値コントロール能力を失った人たちが、その日その時を乗り切ることだけを考えれば、「無理にでも食べなければならない」という結論に行き着くのでしょう。一番良いのは「充分に運動した疲労で早寝して、朝はお腹がすいて目が覚める」ことです。そんな気持ち良い朝は、甘いものなど食べたくありません。

〇自分の身体で実験
 白砂糖について悪く言う人も沢山います。しかし、私はへそ曲がりなので人の言ったことを鵜呑みにはしません。それは、自分の利益のために発言する人があまりにも多いからです。患者さんに説明する以上、自分の身体を使って日常的に実験しています。
(@白砂糖食品を食べずに普通の食事をして3時間歩いた時)
 足が疲れ、気持ちよくお腹がすきます。ウォーキングの後は、ご飯に漬物などの食事がおいしく感じられ、「ご飯ってこんなにおいしい」という新鮮な発見があります。お腹が気持ちよくすいているときは、質素なものほどおいしく感じ、甘いものなどは食べたくなりません。最も調子が良いときは、不自然な甘さを気持ち悪く感じます。
(A白砂糖食品ばかりを食べている中で、3時間のウォーキング
 2時間歩いた時点で、お腹がすいたのを通り越し、足が震えて来ました。「足が笑っている」ような感じで、「足が疲れた」というよりも、「足がブルブル」して寒気に似た感じがあり、フラフラしてきました。仕方なくおにぎりを食べましたが、食べた気がせずに歩く気力がわきませんでした。白砂糖食品を食べたら、メチャクチャおいしくて高揚感を感じられ、歩く気力も出てきました。その後も歩き続けた結果、「お腹はすいていないのに何かを口にしたい」という欲求が当分の間続きました。
(分かったこと)
こうして自分の身体を使った実験でも、白砂糖の不自然さは立証されています。@で普通の質素な食事でもおいしいと感じるのは、「通常な状態であれば緩やかな血糖値上昇で充分に満足できる」ことの証明です。またAで「足がブルブル、寒気に似た感じ、フラフラ」は低血糖の症状であり、「おにぎりを食べても歩く気力がわかない」のは、通常の血糖値上昇では身体が満足しないことを意味します。また、「お腹はすいていないのに何かを口にしたい」のは、血糖値が不自然に低くなるためだと考えます。
 過敏体質の私は、このような身体の変化を日常的に自分の身体で味わっています。

(2008.01記)

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