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仙台臨海鉄道完全復旧 石油製品輸送再開式 経営再建に弾み

関係者がテープカットし、石油製品の輸送再開と臨海鉄道の完全復旧を祝った

 仙台港周辺の貨物輸送を担う仙台臨海鉄道(仙台市宮城野区)は12日、JX日鉱日石エネルギー仙台製油所で製造された石油製品の輸送再開に伴う記念式典を、仙台港駅構内で行った。東日本大震災による被災で運休していた仙台北港−仙台港間(1.2キロ)が7日に運転を再開した。
 臨海鉄道の真貝康一社長は「震災で大変な被害を受けたが、ようやく全線再開の日を迎えた。仙台港から元気と荷物を届ける気概を持ち、安定輸送に努めたい」と述べた。
 JX、JR貨物、国土交通省、宮城県の関係者ら約30人が出席。テープカットに続き、JR東北線陸前山王駅(多賀城市)を経由し、郡山駅へ向かうガソリンを積んだ6両編成の貨物列車の出発を見届けた。
 JXからの輸送列車は震災前と同じ1日3往復運行する。2往復は盛岡ターミナル間、1往復は郡山間を結ぶ。石油製品の輸送は、臨海鉄道の貨物取扱量の7割を占める主力業務で、再開は同社の経営再建に弾みをつけることになる。
 JXの細井裕嗣常務執行役員も式典で「東北内陸部への石油供給が安定性を増す」と歓迎。首都直下型地震の恐れなどにも触れ「仙台製油所は東北唯一の製油所。東北から石油を供給できる道が復活した点でも再開は意義深い」と語った。
 仙台臨海鉄道は津波被害で全区間9.5キロが運休。昨年11月に仙台西港−陸前山王間(6.7キロ)でキリンビール仙台工場が生産するビール輸送を、今年3月に仙台港−仙台埠頭(ふとう)間(1.6キロ)でコンテナ輸送を再開させていた。


2012年09月13日木曜日


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