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【北陸発】

津波に備える 輪島で県防災訓練

津波から避難したが下りられなくなった住民を想定し行われた救出訓練=2日午前、石川県輪島市で

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 大規模地震に備えた第五十三回石川県防災総合訓練が二日、同県輪島市で、東日本大震災で大きな被害を出した津波の対策を主眼に行われた。

 能登半島北方沖を震源とするマグニチュード8・1の地震が起き、大津波警報が出されたとの想定で、県や市、自衛隊など八十七の機関から七千人が参加。市内への第一波到達は五分以内の試算もあり、高台への速やかな住民避難を目指して進められた。

 輪島市は今春、震災を教訓に、市中心部の四階以上の建物三カ所を「津波避難ビル」に指定。今回はこれらを初めて訓練に使用した。

 その一つの輪島港近くのホテルには、近隣住民三十人のうち、訓練開始から五分で来ることができたのは三分の一程度だった。

 地震による地割れなど道路への障害も予想され、所要時間の短縮や避難先の選定に課題も残した。

 港内では、津波で流出したがれきのクレーン付き台船による撤去や、国土交通省の特殊船二隻による油回収の訓練も行われた。

 終了後、谷本正憲知事は「津波の際、できるだけ早い高台への避難を住民にいかに徹底していくかが課題。(住民レベルで活躍する)防災士の育成にも努める必要がある」と述べた。

 梶文秋輪島市長も「訓練はやりっぱなしではなく、結果の再検証が重要」と今後に生かす考えを示した。 (網信明)

 

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