「新しいキリンがやってきた!」  和久井飼育係(♂)

2008.12.26
 11月17日(月)に富士サファリパークから3歳のオスのアミメキリンがやってきました。 トラックから輸送箱を慎重に下ろし、キリン舎へ入れます。終始落ち着いていて部屋に入ってすぐに餌も食べていました。
 名前は、「フジ」、「フジサン」、「フジマル」、「コブシ」、「フミタロウ」の中から来園者の方々に投票してもらい、「フジマル」に決定しました。
 投票をしていただいた来園者の皆さん、ありがとうございました。
 フジマルは、南側(ポニー舎側)に出ています。ぜひ会いに来て下さい。

職員総出で搬入

フジマルになりました!

 

 
 

「これからが本番!」  太田飼育係(♂)

森の中できこりです

2008.12.14
 今年の冬は暖かい日が続き北風が少ないせいか、園内の落葉樹もまだまだ葉が落ちきりません。
 コアラ舎にはとまり木を使う動物がいます。コアラ、ナマケモノ、ヤマアラシと木の上で生活する彼らにとってはとても重要なものです。
 彼らのとまり木を準備するのがこの季節なのです。春から秋にかけて樹木はたくさんの水分を吸い上げて重くなるため、少しでも重量が軽くなるこの時期に森に入って 切ることにしています。ただ大変なのはその数の多いこと。そのうえ長さが中途半端ではありません。たとえばコアラの屋外放飼場には四角形に組んだとまり木があります が、地面から皆さんの歩く観覧通路までが約2メートル、そこから来園者(大人)が少し見上げる高さが2メートルで最低4メートル以上の高さに組まなくてはいけません。 また室内展示室では床に埋まっている部分が1メートルあり、どこのとまり木も5〜6メートルくらいのものを探してきます。
 切ってくる場所は主に未開園部分で探し、切った後はしばらく放置し水分を蒸発させ少しでも軽くします。軽トラックなどで運んできますが、最後は人力です。設置する時は休園日で、他の飼育係も応援に頼んで取り付けます。これから少しずつ始めるので、来年の春にはとまり木が変わっているはず。
 新しく組んだとまり木で、さらに動物たちが生き生きとする姿を見に来てください。

 

 
 

「口之島牛が来園」  関口飼育係(♂)

はじめての牛舎なのに余裕

2008.12.04
 口之島牛(クチノシマウシ)が、こども動物自然公園にやって来ました。
 どこから来たかって、それは「名古屋大学大学院生命農学研究科付属フィールド教育研究支援センター設楽フィールド」と“じゅげむ”の様に名前の長いところからです。この場所はすごく広い草原で、頭数の少ない口之島牛を増やすために努力を注いでいる施設です。ウシ達はそこで自由に歩いて草を食べていました。

 口之島牛は昔から日本で飼育されていた牛です、みんながテレビや写真で見る和牛は明治の頃に体が大きくなる外国牛の遺伝子が入った牛のため、純粋な日本の牛ではありません。それに比べて口之島牛はあまり体が大きくありません。ほとんどの農家では飼育されておらず、外国産肉牛の遺伝子の入らない日本在来牛なのです。

 設楽ファームから約7時間かけて車に揺られてやって来ました、動物園に着いた日は疲れと初めて見る牛たちにおどおどしていましたが、日がたつに連れてだんだん慣れてきました、こども動物自然公園は来年の干支の『うしてん』を開催するためにホルスタイン、ジャージー、コビトコブウシ、エアシャー、そして口之島牛と5品種のウシをみなさんに見てもらえる様にしました、どのウシ達もみなさんとお友達になれれば良いなと思っています。

 

 
 

「大往生だったと思いたい」  神山飼育係(♀)

元気なころのオウちゃん

2008.11.25
   11月2日(日曜日)、オウちゃんはオガクズの上にうずくまり、眠るように沢山の思い出を胸に抱き旅立っていた。

 数週間程前からガックリと体力の衰えが見られたが、食欲は旺盛で大好きなトウモロコシには飛びついた。夕方の餌にも入れてあげようと、ウシの飼料の中から 拾い出す数も10粒から20粒、30粒と日増しに増えていった。おそらく『その日』もそう遠くないだろうと見守る日々だったが、やはりショックは大きく涙が 溢れた。

 朝、部屋の扉を開けてもらうとちょっとリズミカルな足取りで、好きな場所へと向かう。雄鶏の勇者たる印の鶏冠は倒れ、血色も悪い。少し頑張って歩くと、呼吸が乱れ苦しくて大きく口をあけて息をする。それでも頑張って行き着く先は、搾乳中の牛達の餌桶周り。食べこぼされた大好きなトウモロコシをいただきに。満足した後は、夏は涼しいところで、最近は陽だまりで静かに過ごしていた。

 7月のある日、次世代を担うヒナ(♂2・♀4)達が来園。夏の終わり頃には大きく成長したヒナ達と一緒に歩くオウちゃんが居たが、その後はすっかり雄鶏になったヒナに追われ、行き場を失った。 そして『その日』は、新天地をマーラの放飼場に求め過ごし始めた矢先の出来事だった。

 

 
 

「動物園のちいさな隠れキャラ」  伊東飼育係(♂)

2008.11.14
 昨年から、園内に生息しているトウキョウサンショウウオやホタル類などの生きもの調査を行っています。この調査を行うようになって、改めて気がついたことが あります。それは、園内には見知らぬ住人(虫)がたくさんいるということです。ず〜っと彼ら?はそこにいて、ひっそりと生きているのでしょう。興味のない者に とっては、見えない存在かも知れません。私も見えない者の一人でした。動物公園が開園して今年で28年。きっと知らない間にいなくなってしまった種もいると 思います。

 この住人たちの多くは、大きくても10センチほど。ほとんどが小さいものばかりです。中にはルーペで見ないと何だかわからないものもいます。そして普段、 葉の上や土の上、木の幹などで静かにしています。気にかけなければ、見過ごしてしまいます。彼らを見つけるためには、ゆっくり気にしながら歩かなければ なりません。彼らを見るようになってからからは、そんな歩き方をするようになりました。気にかけだすと不思議と姿が見えるようになってきます。まるで妖精を 見ることができる子どものようです。そして見つけた彼らをそっと写真に撮ります。写真で大きくすることで、目で見ていた姿とは違ったユニークな姿が表れます。 その姿に毎回、「?」「!」となり、不思議な体の作りや奇抜な模様に驚かされています。

 季節が移り、この小さな住人たちも冬眠などで姿が見えなくなってきました。みなさんも動物公園に来園した際は、このユニークな住人たちを探してみてください。 飼育されている動物とはまた違った出会いがあると思います。

 出会うポイントは… 小さな子どものようにゆっくり、ゆっくり歩いて見ることです。

ハイイロチョッキリ

アミガサハゴロモの幼虫

 

 
 

「やっぱり怖いものは怖い」  押見飼育係(♂)

2008.11.05
 この動物園にキリンが来園して今年で26年。つまり埼玉県にはじめてキリンがやってきて26年ということになります。
そのとき、多摩動物公園からやってきた4頭のうちの1頭がメスのタカコ。今年でなんと28歳になります。性格がとてもおとなしく、慣れているので体に触ることが できます(通常ではありえませんが…)。それを利用して後足に万歩計をつけ、キリンの運動量の調査をしています。
 毎朝タカコの部屋に入り、万歩計をつけるその瞬間が・・・怖いんです。大丈夫だとは信じながらもちょっと怖い。すぐそばで見るとやっぱりキリンは デカイんですよ。

 ふと、キリンをはじめて近くで見たむかしの事を思い出しました。
当時、若かった頃、先輩の飼育係(現副園長)に連れられ、キリンの放飼場に入って怖くて立ちすくんでしまった事を…。だって4m以上の高さから見下ろされて ごらんなさい。

飼育係を何年経験してもやっぱり怖いものは怖い。

 

 
 

「何かが森からやってきた!!」  高玉飼育係(♀)

2008.10.24
 秋晴れの10月7日、汚れてしまったカンガルー舎の土を交換することにしました。
T飼育係に手伝ってもらって一緒にスコップで一輪車に汚れた土を積んでいきます。作業も半分ほど終了し「午前中に終わるかな?」と思い始めた頃、カンガルーコーナーのフェンスの向こうの森からなにやら音がして来ました。Tさんに知らせて、なんの音かと顔を見合わせ、2人で耳を澄ますと虫の羽音です。しかも大量の。頭の中には、つい最近見たTV番組のスズメバチの大群の画像がよぎります。
 森の方を見ると小さな虫が多量に飛んでいるのが分かりました。どうやらスズメバチではなさそうですが、どんどんこちらに近づいてきます。 よく見るとそれはミツバチの群れでした。
 お天気が良いので、遠足のこども達がたくさん来ていますが、幸いなことにお昼の時間で、コーナーの中には数家族しかいません。ミツバチたちが園路まで近づいてきそうだったので、事情を説明してUターンしてもらいました。

 様子をうかがっていると、15分ほどで多量に飛んでいたミツバチがどこかに消えていきます。しかし、よーく耳を澄ますと集中した羽音が木の上からきこえてきました。なんと6mほどの高さの木のみきに、ミツバチたちが大集合しています。
 このミツバチたちの行動は「分蜂(ぶんぽう)」といい、古い巣から新しい巣を見つけるために分かれてきた群れが、一時的に集まっているところでした。数匹が巣に適した場所を見つけてくるまで、群れはひとかたまりになり温度を保ちます。一度かたまりになったミツバチはじっとしていて、そこいるのを知っていなければ見つけられないほど静かです。ミツバチはとてもおとなしく、人間に襲いかかってくることはありません。しかしこの大群が、移動中にお客さんと鉢合わせしたら大変です。いつ動き出すのか見張ることにしました。日中のあたたかい時間に移動することが多いらしいのですが、頭を上にそろえて、びっしりとかたまりになったまま次の日も動きませんでした。ドキドキしながら様子をうかがっていましたが、大移動から2日目の朝、群れはコツゼンと姿を消してしまいました。

 それにしても、ニュースの映像では見たことがありましたが、ミツバチの群れの羽音は大迫力でしたよ。

 

 
 

「マーラって知ってる?」  富田飼育係(♂)

2008.10.15
 マーラはテンジクネズミ科でモルモットの仲間です。体の大きさは体長70p体重8kgで柴犬ぐらい。大きな耳と細くて長い足を持つため、よく小さな鹿と 間違われます。
   このマーラは園内に放し飼いにされています。芝生広場などで見かけると、子供たちが追いかける姿を見かけますがマーラは走るのが得意なのであっというまに 森の中へ消えていってしまいます。子供たちの姿が見えなくなると、また広場に出てくるのです。そんなマーラに会える時間があります。乳牛コーナー横にあるエサ場で 午後3時30分からならすカスタネットの合図の音でマーラたちが集まってきます。このときはくれぐれも脅かさないように! そうすればきっとマーラたちの姿が 観察できます。

 

 
 

「ヘビのふれあいの裏では・・・」  高尾飼育係(♂)

2008.09.25
 なかよしコーナーでは土曜、日曜などの子供たちの多い日には、ウサギとモルモットのふれあいの時にヘビのふれあいを行うことがあります。ふれあいに登場するヘビは、日頃からよく触って慣らしてあるおとなしいヘビです。
 ケージの掃除のときはヘビを別のケージに移して掃除するのが普通ですが、あえてヘビを体に巻きつけながらするのです。 これにより、どういう動きでヘビが嫌がるか、どう持つとおとなしくなるかなどがわかりますし、ヘビもあらゆる動きに対して慣れてくるのです。
 以前はヘビに嫌がられて咬まれることもありましたが、今ではほとんど咬まれません。このようなことも慣らす練習として役立っているのです。

 

 
 

「コアリクイの食事」  西方飼育係(♂)

2008.09.13
 ミナミコアリクイは、コアラの室内展示場をぬけてすぐ左側の、クヌギが二本立っているところに展示されています。餌は、ドックフード、猫用ミルク、バナナなどを ミキサーにかけたものを与えています。
名前にアリクイとあるだけあって、野生ではシロアリ、アリ、ハチを食べます。主にシロアリを採食するらしく、前足にある鋭い鍵爪で樹上にある巣を壊しながら、 40pもある長い舌で舐めとります。多い時には9,000匹も採食するそうです。
 このように特定のものしか採食しないのかと思っていたのですが、なんと放飼場でナガゴマフカミキリを採食していたんです。これならと思い、搬入当初食べなかった フタホシコオロギをあたえたところ、おいしそうに食べてくれました。
このほかにもカミキリの幼虫、アブラゼミ、オニヤンマなども食べました。前足はアリの巣を壊すために爪が長く鋭くなっていて、とても小さなものを握れるとは 思わなかったのですが、なんとも器用に握っていました。残念なことに入手しやすいミルワームや、ジャンボミルワームは食べてくれませんでした。
 夜行性で日中寝ていることが多く、なかなか動いているところは見られませんが、寝起きには長い舌をダラーっと出すので要チェック!

 

 
 

「苦手」  小高飼育係(♀)

2008.09.05
 先日、動物園の職員の間でチャリティーTシャツの回覧があり多くの職員が購入しました。
目的はカエル達のため。今年は「国際カエル年」なので、その募金活動の一つなのです。
 ということで、たいへんキュートでリアルなカエルがみんなの背中や胸にはりついているのです。とは言うものの、すべての人がカエル好きというわけではありません。もちろん動物の事は大好きですが苦手なものもあります。
 たとえば・・・Oさんはこのカエルが大の苦手です。「そんなTシャツを着てウロウロするな!」なんて思っているに違いありません。Sさんは毛虫と芋虫がきらいです。Mさんはゴキブリが苦手です。でもみんな、「こんなもの、いなくなれ」とは思っていないはず。なぜなら、いらない生き物なんていない事を知っているから。
 かくいう私は、ほら、あの土の中にいる、長くて、コンクリートの上で干からびていたりするアレ。アレがちょっと…。役に立っていることはわかります。でも、私の前には出てこないでと願いながら仕事する毎日です。

 

 
 

「レインボータイムと質問ボックス」  清水飼育係(♂)

2008.08.22
 なかよしコーナーの「モルモットの橋渡り」はもうごらんになりましたか?
モルモットが渡る橋の最後に「レインボータイム」という文字があります。これは、「モルモットの橋渡り」終了後に動物やスタッフとほんの少し触れ合う時間です。 1日3回の橋渡り終了後の、どの時間に何ができるかは、お楽しみです。
 今までに行った一部を紹介します。
「スタッフのお手伝い」・・橋を渡って帰れないウサギを抱っこして小屋まで連れて帰ったり、ウサギ、モルモットのおやつをあげるのを手伝ったり、ヤギのウンチ掃除を一緒にやったり、ヤギの散歩などなど。 またフクロウと写真を撮ったり、小屋に帰る前にちょっとふれあいながらの質問にこたえたりしました。他にもいろいろと試しています。
 なかよしコーナーの入り口を入ってすぐ右手に「質問ボックス」を設置して、9ヶ月になります。図鑑ではわからないなかよしコーナーの動物の質問を答えようと始めました。当初たくさんの質問に、うれしい悲鳴を上げていました。 回答文は、大人向けに作りました。大人が読んで子供たちに伝えてもらえれば幸いです。最近は質問が少なくなったので、なかよしコーナーで出会える、昆虫の紹介に力を入れています。昆虫の季節が過ぎたら、コーナーで見られる植物などの紹介もしたいと思っていますので、お楽しみに!

質問ボックス

きまぐれレインボータイム ご案内看板

 

 
 

「新サイチョウ舎ができます!」  小山飼育係(♂)

2008.08.15
 現在、仮サイチョウ舎(写真右)にいる3種のサイチョウのための新サイチョウ舎(写真左)を整備しています。 新しいケージは、土地面積だけだと仮サイチョウ舎の5.6倍!! さらに高さがあるので、かなり大きくて広い建物になりました。 ただいまそのケージの中を飼育係が汗だくになって整備しています。 もちろんとまり木や植栽を入れたり巣箱を作ったり、日当たりがよいので日陰が出来るように日よけをつけたりします。これは高さ5mある鉄骨の上に乗ってつけるのですがかなりのスリルがあります。 公開した時には、ぜひ、見に来てください!

仮サイチョウ舎

新サイチョウ舎

 

 
 

「これも立派な飼育係の仕事!!」  味田飼育係(♀)

2008.08.5
 動物園の飼育係は、動物の飼育だけと思っている人も多いと思います。私も動物園に入るまではそんなイメージを持っていました。でも実際には、飼育係の仕事は多岐にわたっています。来園者に動物とふれあってもらう、動物舎を作る、イベントを考えて実施するなどなど。  今年の4月、乳牛コーナーから企画調整係に配属されました。主な仕事は、動物の餌の手配、実習生の受け入れ、動物の搬出入にかかわる事務手続き、主なイベントのサポートなどなど。担当している動物は、モリフクロウとニホンリスだけ。動物が大好きで、動物園の飼育係になったのですが、事務仕事かイベントの毎日です。  10年前に実は一度この係を3年間担当していました。その時は、たった一人でした。大好きな動物の飼育もできず、慣れない事務仕事ばかりで、顔や頭にブツブツができてしまいました。でも今年の4月に再びこの係になって、今は3人のスタッフと仕事をしています。10年前とは仕事内容も仕事量も変わっています。再び、慣れない事務仕事に向き合う日々が始まりました。ポスターやチラシなどをパソコンで作成しているスタッフを横目に、アナログな私はただ唖然とするばかり・・・。  10年前よりもイベントもたくさん行うようになり、週末は複数のイベントを担当し1日イベントづくしなんて日もあるくらいです。特に今年の夏は宿題おたすけ隊でイベントがたくさんあり、日によっては質問コーナーの担当もあります。 イベントも、事務仕事もまだまだ覚えなくてはならないことは山積みですが、ひとつずつ覚えていけるようこれからもがんばります!

 

 
 

「かなり苦手・・・」  野口飼育係(♀)

2008.07.25
 動物園の飼育係になって、まさかそんな仕事があるとは思わなかったことのひとつに 「講義」があります。

 先日、動物園の隣にある短期大学が行っているオープンキャンパスへ行き、「小動物の飼育をとおして、命の大切さを考える」というテーマで高校生にお話をしてきました。 この大学は保育園や幼稚園の先生をめざす人が学ぶ大学で、小動物の飼育の仕方や取り扱いを学ぶために、毎年1年生が動物園に実習に来ているのです。そんな関係から、大学を受験しようとする高校生を対象に、動物と子供たちについて話しをするようになりました。 動物の話をすることは慣れているのですが、それはあくまでも動物を扱いながらすることであって、椅子に座った高校生を前に教壇に立って話すなんて、まるで学校の先生のようです。すごく緊張します。緊張すると何を話しているのかわからなくなってしまって、さらに緊張!!よくわからないうちに終わってしまいます。経験をつむしかないのでしょうが、すごく苦手です。 他にも、幼稚園や小学校の先生が研修に来たり、県内の小学校によばれて話したりなど、教壇に立つことが何度かあります。そのたびに緊張です。

まさか飼育係にこんな仕事があるなんて・・・本当に思いませんでした。苦しみながらですが、少しずつでもうまくなれるようにがんばらなくてはと思う今日この頃です。(できればやりたくないなぁ・・苦笑い)
 

 
 

「さよなら、ヒカル」  田中飼育係(♀)

ヒカル、ありがとう

2008.07.15
 7月10日の夕方、動物園の電話がなりました。たまたまそばにいた私は受話器をとりました。多摩動物公園からでした。 こども動物自然公園でうまれて、10歳のときお婿入りにいったヒカルの訃報でした。 ヒカルのことを他の職員に伝えると、 「何歳だったのかなー?」 「21歳くらい?」 「うわー、ずいぶんがんばったね、大往生だね」 「お母さんは、ヘレナだったっけ?」 「あー、あの一番ちいさかったヘレナ」 「でもヒカルは大きな子だったよね」 「ヘレナ大変そうだったもんな」 「でも体は大きかったけど、よくおしっこもらしちゃってたよね」 「そうそう、大人になっても体重測定のときなんか毎回」なんて思い出話が続きます。 当時コアラはまだ日本に来て間もないころでした。繁殖、子育て、ケガ、病気、なにからなにまで初めてで、担当者はいっぱいヒカルから学んだんだろうなーと思います。 動物園ではたくさんの動物がうまれます。そしてたくさんの動物たちが死んでいきます。 飼育係たちはそんな動物たちに育てられていくんだな、とこの夜つくづく感じました。
 

 
 

「四苦八苦」  細谷飼育係(♀)

2008.07.04
 私は今、なかよしコーナーでフライングケージの鳥たちとコウモリを担当しています。 フライングケージとはアフリカ原産の鳥たちが放し飼いになっているところです。大きな鳥かごの中にヒトが入るような感覚で、自由に飛び回る鳥を身近に見ることができます。私は今年の4月から職員に採用されました。が、実はこの動物園で働き始めて10年近くになります(他の動物園で働いた期間もありますが…)。アルバイトから契約職員を経てようやく念願の職員になりました!
 
 
 
 

 アルバイトでも、職員になっても変わらないこと、それは動物の勉強です。先日、動物園の先輩、後輩とオーストラリアのブリスベンに行ってきました。動物園業界の人間は、国内、海外の動物園を巡ったり、野生動物を見に行ったりすることがしばしば、プライベートでも動物にどっぷりはまっている人種であると思います。動物は片っ端から写真を撮り、展示物やラベル、ショーなど参考にできるものはなんでもいただいちゃおうという感じ!日本では見られない種もいるので大興奮でシャッターを切りまくります。そして、日本に帰ってきてから写真に収めた動物の答え合わせをします。なんせラベルも英語、解説も英語、当たり前ですが全て英語なんです!英名から和名を探したり、写真だけを見て種類を特定したり。仕事が終わったあと、四苦八苦しながら調べ物をしていると、見るに見かねた園長、副園長が調べるのを手伝ってくれました。勉強することはまだまだ山のようにありますが、好きなことの勉強は楽しいものです(英語は厳しいですが…)。とてもフレッシュとは言えない新人ですが、気持ちは初心に帰ってがんばりたいと思います!これからも楽しく、学べる動物園にしていきたいと思います。皆さん遊びに来てくださいね。
 

 
 

「新人飼育係」  和久井飼育係(♂)

ハートマンヤマシマウマ

2008.06.05
 はじめまして、今年の4月からポニー舎でキリン、シマウマを担当している新人飼育係です。大宮公園小動物園という小さな動物園から異動してきました。僕はその動物園に5年間いました。なのに新人飼育係。そうです、今年やっと正職員になれたんですよ。
 
 

ブチハイエナ

 みなさんは大宮公園小動物園って知っていますか?さいたま市の大宮駅からすぐ近くにある大宮公園内にある小さな動物園です。僕はこの動物園でニホンツキノワグマやブチハイエナ、アムールヤマネコ、ベンガルヤマネコ、ハクビシン、ニホンザル、フサオマキザルなどを担当していました。担当していたほとんどの動物たちが肉食獣で、飼育しているクマより(たぶん日本で唯一?)体の大きい飼育係でした。
 
 

 今は、自分より何倍も大きいキリン、シマウマという大型の草食獣の担当になり、何もかもがはじめてで、わからないことだらけで苦労してます。キリンってほんと大きいですよね。部屋の中でキリンにエサをあげるときは2階部分にある餌入れにエサを入れてあげるんですよ。もし、自分の家の庭にキリンがいたら2階のベランダにエサを置いてあげる感じです。こんなに体が大きいのにウンチは親指の第一関節くらいの小さいウンチを鹿やヤギの様にするんです。今度見に来てくださいね。
 キリン、シマウマのほかにポニー乗馬もやっていますので、キリン、シマウマ、ポニーを見に来たついでにこの新人も見つけてみてください。かなり目立つので分かりやすいかなぁ・・・
 

 
 

「ネズミの飼育係」  松本飼育係(♀)

ニイガタヤチネズミ

2008.04.30
 私がラクダ・小動物コーナーに異動になったのは2年前の春です。ネズミ達が展示されている裏側に足を踏み入れた時の印象は、「ここは、まるで迷路だ。」でした。
 朝の作業は沢山のネズミ達の観察、エサ入れの回収、給餌、言葉で書くとこれだけなのですが、これがまた大仕事です。なぜって、エサを食べるのは、展示しているネズミだけではないのですから・・・。
 
 

展示の裏側

 ラクダ・小動物コーナーでは、現在25種類のネズミの仲間を展示しています。なんだぁ25種類かぁと思う方もいるかもしれません。そこで今回は、裏側のお話を少し聞いてください。
 ネズミ達は種類によって様々ですが、一生のサイクルがとても短い動物です。このため、展示を維持していくのには、裏側で沢山のネズミ達を飼育する必要があります。もちろん皆さんにお見せしている所でかわいい赤ちゃんを見ていただくのがベストなのですが、とてもデリケートなネズミもいて、落ち着いた環境でないと赤ちゃんができなかったりすることもあるのです。
 
 

ずらりと並んだエサ鉢

 最初にエサ作りを教えてもらった時、大量に並んだエサ入れの数を目の前にして、団体客の入った仲居さんの見習いになった様な心境でした。 作ったエサは正しくお客様(ネズミです。)に届けなければいけないですし、エサの内容もそれぞれ違います。まずはこれを覚えるのに一苦労。 ただ私自身細かい作業が大好きで、これは楽しくもありました。
 
 

ハダカデバネズミ

 今年はネズミ年です。そう、このかわいいネズミ達が主役の年なのです。まぁ私にとっては、いつでもネズミが主役ですが・・・。
 ネズミ〜と毛嫌いしないでください。小さいけれど頑張っていますから。そしてその裏側で仲居さんがせっせとエサを運んでいる事を思ってみると、 また違って見えるかもしれませんよ(^^)