− 本当に牛乳は身体にいいのでしょうか・「牛乳は牛の血です」 − 

 
最近は赤ちゃんにミルクを飲まされている方が増えましたが、 本当にミルクは赤ちゃんにとっていいものでしょうか?
ミルクは何からつくられると思われていますか。 ミルクは牛乳からつくられています。家畜衛生統計(1987年) によると牛や豚の内臓や肉に病変のある率は豚が69.7%、牛が61.9%、子牛は70.4%もあります。 (『じょうぶな子どもをつくる基本食』 幕内秀夫著・主婦の友社・P.107)
草食動物の牛を早く大きくさせるためにトウモロコシなどの穀物を与えています。 本来、草食動物である牛が食べないものを食べさせますので内蔵に負担をかけて内臓が悪くなります。 その上、穀物のほとんどが輸入されていますので、 ポストハーベストなどの農薬や遺伝子組替えなどの危険性のあるものを使用しています。 このようなものを食べさせていれば肝臓や腎臓などの内臓に負担をかけ機能が低下して血液がにごり、 血液が悪くなります。
実は人間の母乳や牛の牛乳などのお乳は血液がお乳にかわったものです。 乳房に集まった血液が酵素膜を通ると、 赤色で血の臭いがするものが酵素の働きで一瞬のうちに白く乳の臭いのするお乳になります。 私たちや牛が食べたものは胃をとおり十二指腸、 小腸へと運ばれ栄養は肝臓に運ばれ食品添加物などを分解しますが、 私たち現代人や家畜は毎日、大量に合成化学物質を摂っています。 そうなると肝臓や腎臓などはフル稼働しても追いつかず機能が低下します。 分解できなかった合成化学物質などの毒素が血液で運ばれて乳房や身体中に回ります。 家畜衛生統計に見られるように大半が病気の牛です。 その病気の牛の乳からつくるミルクですからいいはずがありません。 元が悪ければどんなに加工しても良くなりません。
 
ある赤ちゃんの目に腫瘍ができる網膜芽細胞腫というめずらしい病気に誕生と同時にかかり、 目を摘出しなければ助からないと宣告され両親は決断をせまられました。 しかし、両親は目を摘出しないことを選択しました。 そして母親が厳密な玄米菜食をして健康な母乳を赤ちゃんに飲ませて治療するという自然療法も取り入れました。
「私が驚いたのは、私がこうした食事をとって母乳を与えるということが、 赤ちゃんの身体にすぐに、はっきりとした影響を与えたんです。 私が人参を食べると、赤ちゃんの便が赤くなりますし、南瓜だと黄色、ほうれん草だと緑に変わります。 食事内容そのままの色の便が出るんですね。 つまり、私が食べたものが娘の身体にしっかり届いていることを感じることができました。 母乳とは不思議なものだと思いました。放射線治療は毎日行ないますが、検査は数日おきでした。 結果は、まったく先生が驚くぐらい、 腫瘍がどんどん小さくなっていったんです。症状からすると経過がよすぎるって、おっしゃいました。」 (『長期生存をとげた患者に学ぶ がん患者学』 柳原和子著・晶文社・P.193)
母乳はこれほど赤ちゃんに影響を与えるということは、 悪いものを赤ちゃんに飲ませると赤ちゃんの健康状態がどうなるのか想像がつきますね。 赤ちゃんには歯がありませんので母乳かミルクで命をささえています。 その命をささえる母乳やミルクが悪ければ、 その悪い影響はそのまま赤ちゃんに出ることは分かったと思います。 だから人間の母乳とは成分のまったく違う牛の血からつくったミルクを飲ませると当然、 赤ちゃんの身体も悪くなります。
 
人乳と牛乳との成分の違いも問題です。 脂質は牛乳の場合、炭素の数が少ない脂肪酸(低級脂肪酸)の割合が多いのですが、 人乳には低級脂肪酸はほとんどありません。 パルミチンという脂質を分解した時にできる物質も牛乳の方が多くなっています。
このパルミチンという物質はカルシウムと結合し不溶化してカルシウムの吸収を阻害します。 タンパク質は人乳には1.1%しか含まれていませんが牛乳には約3倍の3.5%も含まれています。 タンパク質中のガゼインの量も人乳は40%以下なのに対して牛乳には85%も含まれています。
このタンパク質はアレルギーのもとにもなります。免疫細胞がタンパク質の違いを判断してアレルギーになります。 アメリカの医学会でも牛乳のタンパク質が免疫系、消火器系が未発達の乳幼児にとって異質なものと指摘しています。 人のタンパク質とは違うタンパク質を摂るのですからアレルギーが増えるのももっともなことだと言えます。
「それにしても、高タンパク、高エネルギーのえさを食べて、 成長がいいけれど病気だらけという家畜を見てると、 なぜか現在の子ども達の姿と重なって見えてしまうのは私だけでしょうか……。」 (『じょうぶな子どもをつくる基本食』 幕内秀夫著・主婦の友社・P.108) と幕内さんも書かれています。私も同感です。
 
健康な牛の牛乳でさえ人間、特にアジアの人達には不必要なものなのに、 大半が病気を持っている牛の乳を飲んでいて健康になろうはずがありません。 その上、牛乳にはホルモン剤や抗生物質、ダイオキシンなどの合成化学物質がたくさん含まれています。 これらの合成化学物質は人間の身体にとってはよくありません。 人乳にも今はダイオキシンなどの合成化学物質が含まれています。 しかし、人乳には赤ちゃんにとって大事な免疫力を活性化する成分が含まれています。 ですが、牛乳からつくるミルクには人の免疫に関するものは一切含まれていません。
その他にも母乳には民族の血を引き継ぐという重要な要素もあります。 牛の血からできているミルクを飲んで牛の血統をわざわざ引き継がなくてもいいように思います。 母親の血からできている母乳を飲んで日本民族の血を引き継いでほしいと思います。 また、赤ちゃんにお乳をあげるときに赤ちゃんは母親の肌のぬくもりを感じて精神的に安定します。 このことが赤ちゃんと母親との絆や安心感を深めるため将来、非行問題などトラブルが起きづらくなります。 ミルクを飲ますということで母親とのスキンシップが少なく、 他の動物の血が身体に摂りこまれていることも問題を起こす原因の一つになっているのではないでしょうか。 母乳は赤ちゃんにとって単なる栄養補給のためだけではなく人となるための色々な要素が含まれています。 だから母乳は赤ちゃんにとって非常に大切なものです。 牛の血であるミルクは人にとって害だけでノドの乾きを癒すとか、お腹を太らす以外に利益はありません。
 
「咳で息子のあばら骨にヒビが入ったのよ」 と最近、私の知り合いから聞きました。お医者さんは「これは珍しい事ではありませんよ」 と言われたそうです。それほど最近の若者の骨がもろくなっています。 骨がもろくなる原因の一つは運動不足です。
宇宙飛行士が宇宙から帰還したときには骨がかなりもろくなっているそうです。 これは宇宙では重力がないために骨がなくても身体をささえたり動けたりするので骨にカルシウムが補充されないためです。 これと同じ事が今の子供達に起こっています。 家の中でゲームをしたりパソコンで遊んだりして身体を動かさないためにカルシウムが骨に補充されません。
もう一つはカルシウム摂取過剰も原因の一つだと思います。 「日本人はカルシウムが足りない」 と脅かすものだからカルシウムの栄養補助食品などを摂りすぎてかえって骨がもろくなっています。
奥田拓道医学博士は『正食 1999年11月号』(正食協会) の中で「腸管から吸収されるカルシウムはイオンの状態になっています。 そして、一度に大量に腸管から吸収されたカルシウムイオンは、 副甲状腺ホルモンの働きによって、血液中から細胞に取り込まれます。 細胞内では、カルシウムが過剰になるので、これを排出する働きが盛んになり、 結果的にカルシウム濃度が急激に低下します。 カルシウム濃度が下がれば、それを補うために骨からカルシウムが溶け出す、という作用が起こります」 と言われています。 栄養やミネラルは多く摂れば摂るほどいいと思っている方がほとんどです。 しかし、摂りすぎれば病気をつくります。何でも摂ればいいと言う訳でもありません。 過ぎたるは及ばざるが如しです。
 
エコロジカル・ヘルシーショップ三友 桧垣史郎
参考文献
『正食 1999年11月号』 正食協会
『子どものために親や教師は今 何をすべきか』 守 孝・生活科学研究会
『じょうぶな子どもをつくる基本食』 幕内秀夫著・主婦の友社

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