第2部パネルディスカッション 「EM技術による放射能汚染対策」
EM開発者 比嘉照夫 氏
(医法)照甦会 沖縄照甦クリニック院長 杉本一朗 氏
パネラー:
マクタアメニティ㈱ 代表取締役 幕田武広 氏
NPO法人 チェルノブイリへのかけはし 野呂美加 氏
ベラルーシ国立科学アカデミー放射線生物学研究所 放射線生態学研究室長 アレキサンダー・ニキティン 氏
コーディネーター:
㈱EM研究機構 取締役 新谷正樹氏
発表①:EMオーガアグリシステムによる安全な農作物
福島県内で活動を広げており、東日本大震災による放射能被害、風評被害を少なからず受けています。しかし、EMを活用し、地域内の廃棄物を循環させる「EMオーガアグリシステム」を導入していた農作物からは放射性物質が検出されないという結果が出ていました。
興味深いことに、土壌の放射性物質が1,800~約5,000Bq/kgも検出される中、伊達市、福島市、本宮市などで検査された農作物からは放射性物質が不検出でした。
幕田氏の発表に、比嘉教授は「セシウムはカリウムと似た働きを持っています。植物は選択的に栄養素を取り込もうとしますが、放射性セシウムが農作物に移行されないということは、放射性セシウムが土壌からなくなったか、もしくは植物に吸収されない状態に転換している可能性があります」とコメントされていました。
パネルディスカッションの最後に、「このフォーラムを機に、またがんばれる気になりました。何年後かに、『福島はこんなによくなりました』と報告できるようにしたいです」と、今後の活動への意気込みを話されていました。
発表②:ベラルーシでの経験を日本に。
幕田氏の発表に続き、チェルノブイリ原発事故の被災国となったベラルーシからもゲストが来日し、放射性物質で汚染された土地でのEMの利用について発表されました。
発表を行ったのはベラルーシ国立科学アカデミー放射性生物学研究所 放射線生態学研究室長 アレクサンダー・ニキティン氏。同研究所は、放射線生物学や放射線生態学分野での科学的そして実用的な仕事を実施する経験を有する研究機関です。主な研究の一つとして、放射性核種の食物連鎖への移行を減らし、摂取による人体への放射性核種の蓄積を最低限にすることがあります。
土壌の肥沃度が上がると放射性核種の植物への移行率が下がることが知られています。そのため、石灰やカリウム、リンなどの肥料を土壌に散布することで、作物への放射性物質の移行を防ぐことが奨励されてきました。
しかし、大量の無機質肥料の使用はコストが高いこと、石灰の土壌への散布やその他の方法では、ストロンチウム90(Sr90)の農産物への移行を十分に下げることができないこと、また、無機質肥料の大量使用によるカリウム40やウラン同位体などの天然放射性核種による内部被曝の問題がありました。
日本ではまだあまりストロンチウム90は取りざたされていませんが、現在のベラルーシでは、ストロンチウム90による内部被曝量の方がセシウム137による内部被曝量より大きくなっています。
実証試験では、汚染度がより高い場所ほどEM1の放射性核種の作物への移行を抑制する効果がより大きいという結果が出ていました。
ストロンチウム90はセシウム137より10倍、植物に蓄積されやすいのですが、EMはストロンチウム90の移行抑制に特に効果を示すとのことです。
また、ニワトリの飲料水にEMを加えることにより、肉の量が増え、体内のセシウム137が45%減少したとの発表もありました。
ニキティン氏は、「ベラルーシでの出来事と今回の福島の現状はとてもよく似ています。放射線生物学研究所には、放射線生物学や放射線生態学の研究を行うため経験豊富な優秀なスタッフがいます。私たちの経験と知識を日本の皆さんと喜んで共有します。EMは体や土をよくするだけでなく、『共存』というすばらしい哲学があります。そうした意味でも、これからも日本と協力していきたいです」と、日本への協力体制を示して下さいました。
また、パネルディスカッション中に、「日本ではまだまだこのような結果が出ている事実を国民が知りません。ベラルーシでは、このEMの効果を国民が知っているのでしょうか?」という質問に対し、ニキティン氏は、実際にはほとんどの国民が知らなかったようで、もっと早くこの結果を国民に知らすことができていれば、違う結果が報告できたであろうと答えてくれました。
また、10月にベラルーシ共和国にて行われた学会で、㈱EM研究機構の新谷氏が福島での実証試験の発表をしたことが好影響となったと、今後の共同研究への意気込みも話してくださいました。
ニキティン氏はその後福島県への視察訪問し、その様子が福島中央テレビでも放映されました。有用微生物群(EM)を使用したことで、農作物への放射性物質が移行しないことなどについて関係者へ発表をしています。
発表③:19年間の保養活動の経験から活かせること
日本で受け入れた子どもの数は648人に上り、様々な方法によって放射性物質による健康被害から元気になっていく子どもたちを見てきました。3月14日に起こった福島第一原発の事故を受け、全国各地で講演会(お話会)をスタート。著書「チェルノブイリから学んだお母さんのための放射能対策BOOK(下記参照)」では、子どもを守りたいという同じ母として、見えないものへの恐怖と不安にあえぐだけではなく、できる限り放射性物質を取り込まない具体策を提示しています。
発表では、放射能による健康被害が出た子どもたちが14ヶ国へと療養の旅に出かけ、どれも1ヶ月の療養で内部被曝(体内のベクレル数)が50%程度減るといった結果が出ていました。ところが、1つの国だけが飛びぬけて減っており、81%も減らしている。
なんとそれは日本でした。
3分の2の人は、1ヶ月で20~25bq/㎏の汚染が0bq/㎏になっており、残りの子どもたちの数値も下がっていました。全てが0にならなかった理由は今後の研究課題であるとおっしゃっていましたが、1年経っても再被曝しないという結果も出ていました。驚くべき結果に、会場が沸きました。
高濃度放射性汚染が保養により数値が下がるのは比較的容易ですが、20~25Bq/kgあたりの低濃度になると完全に体内から排出されるのが難しいそうです。
以前使用していた飲料がバージョンアップし、さらに結果が良くなっているとおっしゃっていました。
第2部の最後に、「今変わり、今止めないと、私たちは再び事故が起こる前からスタートしなければならなくなります。ヒロシマの時から言い続けている『今度こそ』をもう繰り返さないようにしましょう」と会場にメッセージを残しました。
(参考著書)
「チェルノブイリから学んだお母さんのための放射能対策BOOK」/野呂美加著
比嘉教授総括講演
「人間が作り出す最大の汚染物質は放射性物質であり、環境問題の解決は、放射能問題を解決できないと、100%とは言えません」と切り出した比嘉教授。
1993年に出版された「地球を救う大変革」が社会的公約となり、地球と生物にかかわるあらゆる問題をEMで解決できると、実証事例を積み重ねてきました。
東日本大震災を受け、塩害や悪臭、不衛生による健康被害、そして放射能問題・・・EMフォーラムの数々の発表により、EMであらゆる環境問題が解決できるということを示して下さいました。
「ある事実を受け入れ、今の理論に合うかどうかを見る」。EMは、今の理論で説明できない現象を数多く算出してきました。放射能汚染対策試験でも、まだまだ現在の理論では説明できないことが起きていますが、今後の研究に期待が寄せられています。
比嘉教授は、EMの原点は「楽しみや喜びを見つけ、楽しみや喜びをつくる」ことだとおっしゃっています。第1部のパネルディスカッションのパネラーの皆さんも、被災したにも関わらず、「楽しいし、嬉しいことが起こるのでEM活動を続けられる」とおっしゃっていました。
環境のため、孫のためと、EM活動を始めるきっかけは様々ですが、根本的に自分が楽しめることが、活動を続けていける理由ではないでしょうか。
農業・河川浄化・医療など、様々な分野に広がるEM。これからの国づくりに向けて、さらなる飛躍が期待できます。
EMRO直営農場「サンシャインファーム」がいよいよ稼働
参加者は当初予定上回る約200名の方が来場。
「サンシャインファーム」の名前の由来は、比嘉照夫(日が照る)教授から。その名の通り、前日~当日朝まで雨が降っていたのに、農場見学の時間になると雨がやみ、青空も見えてきました。
比嘉教授考案のラインマルチや、EMペットボトルなど、様々なEM活用法を農場長の大城さんから説明していただきました。
2011年4月に開墾をはじめ、2度の台風にも負けずにここまで仕上がったのは、徹底的にEMを活用した結果です。
今後は、ホテルからでる食物残さの100%リサイクルと、ホテルへの安定したEM食材の供給、また、地域との産地協定連携など、広がりが期待されています。
(「健康生活宣言」VOL.12にも掲載されています。)
農場では、EM食材を活用したバーベキューも同時開催され、参加された方々はEMのおいしさを堪能していました。
(前編はこちらからご覧ください。)