EMグループの活動事例

2011年12月14日(水)

ベラルーシ共和国 国立放射線生物学研究所との共同研究プロジェクト再開へ

カテゴリ : 災害支援

ベラルーシで開催された国際会議の様子

1986年に起きたチェルノブイリ原発事故の被災国となったベラルーシ共和国は、国土の5分の1が放射性物質により汚染されました。ベラルーシ共和国国立放射線生物学研究所と(株)EM研究機構(EMRO)は1996年〜99年に共同研究プロジェクトを実施し、EMを汚染農地に散布することにより土壌中の放射性物質の作物への移行が抑制されることを発見しました。

ベラルーシでの国際科学会議でEMによる環境修復試験の発表

その時の縁もあり、今回、放射線生物学研究所側からの招きで、10月13〜14日にベラルーシのゴメリで開催された国際科学会議「放射能とチェルノブイリ(科学と実証)(INTERNATIONAL SCIENTIFICCONFERENCERadiationand Chernobyl:Science and Practicev」にておいて、EMROの新谷研究員が福島県の放射性物質で汚染された農地のEMによる環境修復の実証試験ついて発表を行いました。また、本会議では放射線生物学研究所の研究者によるEMの最新の研究結果が発表されました(口頭発表1題、ポスター発表1題)。


▼福島での実証試験についてはこちら

ベラルーシ政府高官や研究者らと。右端がアレクサンダー・ニキティン氏
(ニキティン氏についてはこちら

ベラルーシ共和国国立放射線生物学研究所での研究成果

図【レタス栽培におけるEM散布による放射性ストロンチウム(Sr90)の移行抑制効果】N.V.Shamal, Influence of microbial preparation EM1 on accumulation of Cs137 and Sr90 by vegetable crops より抜粋、和訳

現在日本で問題となっている放射性セシウム(Cs137)による農作物の汚染は、チェルノブイリ原発事故から25年経過したベラルーシでは放射性セシウムは土壌と強く結び付き、作物への移行率が低いために大きな問題とはなっていません。

一方、放射性ストロンチウム(Sr90)は土壌から作物への移行率が高いこと、放射性ストロンチウムを摂取して内部被曝した場合の人体への影響が大きいことから現在でも大きな問題となっています。
日本では放射性ストロンチウムによる汚染は現時点ではほとんど報道されていませんが、汚染土壌の分析が進むにつれて日本でも大きな問題となることが予想されます。
今回の国際会議で発表された国立放射線生物学研究所の研究者らの実験結果を見ると、土質や作物の種類により、差はあるもののEMの散布により、放射性ストロンチウムの作物への移行が抑制されることが再確認されていました(左図)。

ベラルーシ人研究者らによる、
EMの研究発表

ベラルーシは放射能汚染の研究が最も進んでいる国の一つであり、国立放射線生物学研究所には分析を行う機器が充実しており、経験豊かな研究員・スタッフもそろっています。
さらに日本ではCs137やSr90と言った放射性物質を実験室に持ち込んでEMの研究ができる施設がほとんどないことから、今回、国立放射線生物学研究所と㈱EM研究機構との共同研究プロジェクトを再開し、双方の研究者が協力しながらEMによる放射能汚染対策の研究をさらに進めることで基本合意しました。

また、ベラルーシ政府は放射能汚染対策だけでなくEMの農業、畜産分野での研究及び普及に強い関心を持っており、これらの分野でも協力してゆく予定です。

(「健康生活宣言VOL.12」より)



【関連事例】
▼EMフォーラム2011(後編)
第2部パネルディスカッション 「EM技術による放射能汚染対策」
▼【福島県】放射能汚染対策プロジェクト
▼災害支援一覧






【関連リンク】
▼その他災害支援事例を見る

ページの先頭へ