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不妊のマウスから人工的に精子9月11日 7時50分
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精子を作ることのできないオスのマウスの精巣に、白血球を増殖させる効果のある物質などを加えて培養することで、人工的に精子を作り出すことに横浜市立大学の研究グループが成功しました。
この精子で子どもも生まれたということで、研究グループは、将来的には人の男性の不妊治療にも応用できる可能性があるとしています。
研究を行ったのは、横浜市立大学医学研究科の小川毅彦准教授を中心とするグループです。
研究グループでは、精子を作ることのできないマウスから取り出した精巣の一部に、「幹細胞因子」と呼ばれる細胞の発達を促す物質と、「マクロファージ刺激因子」と呼ばれる白血球を増殖させる効果のある物質を加えて培養しました。
その結果、これまでうまく育たなかった精巣の中にある精子の元になる細胞が成長し、およそ50日で完全な精子になったということです。
この精子を使って人工授精を行ったところ、子どものマウスも誕生しました。
精子を作ることのできないマウスの精巣から人工的に精子を作り出したのは、世界で初めてだということです。
人の精巣組織は培養が難しく、すぐの応用は難しいということですが、小川准教授は「将来的には人の男性不妊の治療や診断への応用を目指していきたい」と話しています。
この研究成果は科学雑誌、「アメリカ科学アカデミー紀要」の電子版に、11日に掲載されます。
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