慰安婦:「国際法・日本国内法違反と立証されてきた」

「野田首相の慰安婦否定発言は暴論」

 「日本軍慰安婦問題が国際法や日本の国内法に違反する犯罪だということは、これまで十分に立証されてきた。野田首相や安倍元首相の(日本軍慰安婦強制連行否定)発言は、こうした成果を無視する暴論だ。慰安婦問題に関する限り、日本政府と国会は決断するだけだ」

 今月22日から25日まで「日本軍『慰安婦』問題に関する日韓交渉/仲裁を前進させる国際シンポジウム」を主催する「日本の戦争責任資料センター」の林博史事務局長(57)=写真=は「日本にも戦争責任・植民地責任を果たすため努力している良心的な人々がいるという事実を知ってもらいたい。両国の良識ある人々の協力を通じ、日本政府による慰安婦の女性たちに対する謝罪と賠償が実現するようにしたい」と話した。

 林事務局長は一橋大学大学院で博士課程を修了した社会学博士で、関東学院大学教授を務めている。

-なぜ日本軍慰安婦問題の解明に乗り出すことになったのか。

 「金学順(キム・ハクスン)さん(1991年8月14日、韓国居住者としては初めて日本軍慰安婦の実状を実名で証言、97年死去)が初めて事実を明らかにし、日本でも慰安婦問題を提起できるようになった。学者や法律家もこの問題について支援すべきだと考えセンターを作った」

-これまでどんなことをしてきたのか。

 「数多くの日本軍史料や米国の資料を収集・発表してきた。2007年4月、日本軍慰安婦動員の強制性を示す東京裁判提出証拠書類7点を発表し、世界のメディアに報道された。当時、安倍政権に対する痛烈な批判があった。今月末に出る機関紙『季刊戦争責任研究』最新号(第77号)では2010年以降に施行された日本軍兵士の回想録調査や慰安所関連史料を通じ、朝鮮の女性をだまして中国やビルマに連れていき、慰安婦をさせたことを示す資料を載せる予定だ」

-日本軍慰安婦問題を解決するのに最も必要なものは何か。

 「日本政府と国会が決断するだけだ。しかし、最近日本国内で日本の侵略戦争や慰安婦、強制連行、南京虐殺などを否定するなど、日本の軍国主義を美化する勢力が力を強めている。政界にもそのような人物が増えており、大きな妨げになっている。韓国も冷静な対応をしてほしい。お互いに民族主義をあおるのではなく、加害者が事実を認め被害者に謝罪するようにし、被害者の人権を救済すべきだ。そうした部分で両国は協力できるだろう。両国の良識ある人々が協力し、日本政府が元日本軍慰安婦の女性たちに謝罪し、賠償するようにしたい」

■日本の戦争責任資料センター

 日本で1993年4月に発足した非営利団体。日本軍慰安婦問題をはじめ日本の戦争犯罪と責任、植民地責任、戦後補償などの問題を調査・研究し、国連・日本政府・国会などに提言している。機関紙「季刊戦争責任研究」や単行本を出版している。会員は約500人。

全炳根(チョン・ビョングン)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
関連ニュース