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幽霊の正体見たり 枯れ尾花

幽霊の正体見たり 枯れ尾花

2012-9-10 13:23
自民党の総裁選挙は、谷垣総裁が立候補を断念した。その根底にあるのは、長老支配といった古い派閥体質としがらみという幽霊である。

8月31日、谷垣総裁は、再選への協力を石原幹事長に要請したが、石原氏は「まずは、古賀さんに協力を頼まないとダメです。私にも出馬要請が来ているんです。」と注文をつけた。それまでは、谷垣総裁が出馬する限りは出ないとしていたが、これは唐突で想定外のことであった。

9月3日、谷垣氏は、古賀氏に協力を要請したところ、古賀氏は「総裁は自民党内で若い人を育てるのは大きな使命だ。来るべき総裁は『選挙の顔』であり、若い人を思いきって支持させていただきたい。」と支援要請を拒否した。これも想定外であって、余りにもきっぱりと断る発言であり、石原氏と事前に示し合わせていたのであろう。

ところが同じ頃、石原氏は遊説先の鹿児島で「私は、谷垣総裁につかえているわけではない。日本国のためにつかえているのだ。」と発言し、マスコミから批判され「あれは誤解だ。私は、幹事長である限りは立候補しない。これからも、谷垣総裁を支えていく。」と役員会で陳謝、釈明し、事態を鎮静化させた。

9月4日夜、石原氏は所属する近未来研究会の山崎拓氏に「立候補させてほしい。」と要請したが、山崎氏は「谷垣氏が出たら、立候補しないほうがいいのでは。」とアドバイスすると、石原氏は「では、谷垣総裁が推薦人を確保できない場合には、立候補する。」と答えたが、おそらく石原氏は、谷垣氏は立候補できないと踏んでいたようだ。

9月7日、大島副総裁が、3回にわたって両者の仲介をしたがうまくいかず、8日にも再会談を行ったが、石原氏は「私には相談する人がいる。」と最後まで譲らなかった。相談したのは、後ろ盾にいる青木氏、古賀氏などの存在であり、彼らは谷垣との一本化を承服しなかったのである。このままいけば執行部分裂で、総裁と幹事長が合いまみえるという異常な事態になってしまう。

「幽霊の、正体見たり枯れ尾花。」 こわい幽霊かと思ってよく見ると、枯れたススキの穂が揺れていたという話があるが、まさに、今回の総裁選の谷垣立候補断念の実体は、背後にいる派閥の長老たちの思惑があり「しがらみ、もたれあい、なれ合い」の派閥の弊害の除去こそ必要ではないか。古い体質、一部の派閥のボスに左右される長老支配の自民党であってはならない。