10年ぶりに古巣復帰の中日・山崎武司がキャンプで連日、気合十分の調整を行っている。昨季限りで楽天を戦力外となり、中日に年俸3000万円プラス出来高(推定)で拾ってもらったが、これで満足はしていない。「出来高が1億円を超えるように頑張る」と燃えているのだ。
これには球界きってのカーマニアとして知られる山崎の“愛車問題”も関係している。「情けない気持ちでランボルギーニに乗りたくないからね」。これまでポルシェやフェラーリなどを乗り継いできた山崎は、昨年3月にスイスのジュネーブ・モーターショーで公開された最高出力700馬力のエンジンを搭載し、時速100キロまでの加速がわずか2・9秒、最高速度350キロを誇るランボルギーニの新モデル「アヴェンタドール」を、ひと目ぼれして購入。オープンカーの「ガヤルドスパイダー」も一緒に発注した。
それが、ようやく納車されたのは楽天をクビになり、中日入団後の昨年12月末。
「めちゃめちゃテンションが下がった。年俸が3000万円しかないのに、アヴェンタドールは特別にマットブラック(つや消しの黒)に塗装してもらったり、諸経費などもろもろで5000万円、ガヤルドは3500万円した。本当はうれしいはずなのに何をやっているんだと思ったよ」
しかし、落ち込んでばかりもいられない。中日での今季の出来高は打点、得点、出塁数が対象だが、愛車2台分もそれで一気に取り返そうじゃないかと逆に奮い立ったのだ。「アヴェンタドール」は1日2台限定の生産で大量生産できず、現在のところ日本に輸入されたのは10台ほど。「俺のアヴェンタドールは1番ではなかったけど、日本に輸入された第2号なんだ」。プライドをかけた〝ランボルギーニパワー〟で山崎は復活を期す。
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