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政治
【正論】帝京大学教授・志方俊之 自衛隊抜きに語れぬ尖閣の守り
≪海上警備行動へ途切れずに≫
直ちに取り組まなければならないことは多い。海保に離島での逮捕権を与える海上保安庁法改正、理由なく領海内を周回・停泊する外国船に、立ち入り検査抜きで処罰を伴う退去命令を出せるようにした外国船舶航行法改正が実現したことは大いに評価できる。法的権限だけでなく、海保の人員と装備を質量両面で劇的に強化し、巡視能力を高める必要がある。
海保による警察行動では不十分になった場合、海自の海上警備行動へ途切れずに移行できるよう、現場だけでなく首相官邸の情報共有と指揮統制能力をかねてから鍛えておくことも欠かせない。
自衛隊の態勢も、南西諸島各島に小規模な沿岸監視チームを常駐させて強化する。ある離島が外敵に占領されたら間髪を入れず逆上陸作戦ができるよう、西方普通科連隊を本格的に海兵隊化し、水陸両用の装甲車両を導入する。
北海道の陸自部隊を九州に輸送する「南西シフト演習(2011年11月)」では、民間の高速フェリー「ナッチャン・ワールド」を利用したものの、問題があり過ぎた。海自では、陸自の水陸両用装甲車両を搭載して発出できる新型ヘリ搭載護衛艦を建造し、配備すること、空自では、南西航空団の2個飛行隊化を繰り上げ実施すること、そしてF35戦闘機導入のペースを加速することである。
統合レベルでは、南西諸島防衛の統合任務部隊を常設化し、同部隊の米軍との警戒監視や偵察活動における日米共同訓練を恒常化することが喫緊の課題である。(しかた としゆき)
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