◇W杯アジア最終予選(11日・埼玉スタジアム)日本1−0イラク
日本−イラク 後半、ヘディングシュートを放つ本田(市川和宏撮影)=埼玉スタジアムで
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サッカーの日本代表は11日、2014年ワールドカップ(W杯)ブラジル大会アジア最終予選B組第4戦で、イラクを1−0で撃破した。日本は3勝1分けの勝ち点10で単独首位をキープし5大会連続の本大会出場へ前進した。日本はFW香川真司(23)=マンチェスター・ユナイテッド=が腰痛で欠場する緊急事態を迎えたが、前半にFW前田遼一(30)=磐田=が先制弾。しかし、その後は追加点を奪えず、決定機を逃したFW本田圭佑(26)=CSKAモスクワ=は自らの決定力不足を猛省した。日本は11月14日の第5戦で、アウェーでオマーンと戦う。
何度もイラクゴールへと迫った。最大の武器である左足、あるいは頭で。それでもゴールネットは揺らせなかった。MF本田は「勝ったことが一番の収穫ですね」と勝ち点3は評価したが、「個人的には決定力というところの不足を露呈した2試合だったと思う」。反省の言葉が続いた。
イラクはMFハルドゥーンをマンマークに付けてきた。それは本田の想定内。疲れの出る後半には必ずズレが発生する。「相手の死角に入ったときにチャンスが来る。消える動きがポイント」。ゴールまでのイメージが試合前にできていた。
狙い通り、後半24分には長友の左クロスに相手DFの前に出て頭で合わせた。同35分には清武のクロスにダイビングヘッド。ただGKのスーパーセーブもあり、得点は奪えなかった。シュート数は両チーム最多の5本。自分が決めていれば−。その無念の思いが心の中に残った。
ザッケローニ監督も満足していなかった。本田は試合後のピッチで呼び止められ、しばし話し込んだ。本田は「ゴールを取れ、そこまで満足いっていないと言われました。普段から僕はこっぴどくゴールを取れと言われているので。監督としてはもとより、(自分に)アドバイスしてくれる貴重な存在」と“上から目線”で内容の一部を明かした。ただ「ビッグゲームだと命取りになりかねない」は本音だった。
ではどうやって決定力を高めるのか。本田は「改善するには(練習を)続けるしかない」と言い、「誰か名ストライカーが言ってたけど、ゴールはケチャップみたいなもの。出ないときはなかなか出ない。出るときはドバドバと出る」と、元オランダ代表FWファンニステルロイの言葉を引用し、今後の大爆発を誓った。
W杯予選は次は11月14日のオマーン戦。ただ本田はフランス、ブラジルと対戦する10月の欧州遠征に目を向けている。「引いてくる相手だけ試合しても、2年後のイメージにつながらない。W杯は全く違う相手だから」。世界一を本気で狙うからこそ、2試合を絶好の機会をとらえている。真の力が試される舞台で、ゴール量産を狙う。 (島田明)
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