記者の目:大津・中2自殺=加藤明子(大津支局)
毎日新聞 2012年09月06日 00時12分
子どもの人権侵害の相談・救済機関「兵庫県川西市子どもの人権オンブズパーソン」を6年間務めた大阪大谷大の桜井智恵子教授(教育学)によると、いじめに遭って相談を受けた子どものほとんどは、いじめた側への処罰を望まず、「自分がどれほどつらかったか冷静に伝えてほしい」と相談の場で訴えるという。「大人がちゃんと話を聞かなくてごめん」。桜井教授はそのたびに子どもたちに謝った。
◇子どもの訴え、聞くのが大事
教育長をハンマーで殴ったり、いじめたとされる同級生や担任教諭を匿名で脅迫したりしても、亡くなった生徒の弔いにはならない。それよりも、身近な子どもに目を向けてほしい。「つらいことはない?」。子どもの話をまず聞くことが悲劇を繰り返さない第一歩だと思う。