中国が北朝鮮で進める「5港確保戦略」

清津港に進出、3号・4号埠頭を30年契約…東海への進出本格化
東北3省地域の物流は年間1300万トン、内陸の鉄道に比べ流通費が安い海路

 かつて中国は、東北3省の各種資源を、産業施設が密集する中国東部・南部まで、主に内陸の鉄道を用いて輸送していた。しかし北朝鮮東海岸の港湾の使用が自由になれば、流通費を大幅に節約できる。

 中国・遼寧省大連の創立グループが、08年に羅津港1号埠頭の使用権を獲得したのに続き、4・5・6号埠頭の建設権と50年間の使用権を確保したのも、こうした理由からだ。羅先港1号埠頭の補修工事や4-6号埠頭の建設が完了すれば、中国は年間600万トンの物流処理能力を持つことになる。今回確保した清津港3号・4号埠頭と合わせると、年間1300万トンの物流処理能力が生じるというわけだ。

 しかし、韓国統一部(省に相当)の金炯錫(キム・ヒョンソク)報道官は「(中国の清津港進出に関する話は)一日二日でできるものではなく、これまで話し合いが続けられてきた。具体的な成果はまだないと思う」と語った。実際、中国が清津港3号・4号埠頭の使用権を確保したことは2010年から報じられているものの、これまで全く進展がなかった。

 この報道が事実だとしても、越えるべき山は多い。港湾利用をめぐる朝中間の見解の差が大きいからだ。外交消息筋は「中国は出海権の確保という観点から埠頭のみを使用することを要求しているのに対し、北朝鮮は中国が港湾周辺に極めて大規模な産業団地を開発することを望んでいる。双方の見解差が埋まらず、ともすると事業が中断するというのは日常茶飯事」と語った。

 清津港の場合、中国は先に進出していたロシアとも競争しなければならない立場に置かれている。韓国政府の関係者は「北朝鮮は、中ロを戦わせ、より魅力的な投資を受けたいという心算だ」と語った。梨花女子大のチョ・ドンホ教授は「過去の経験からすると、中朝間の経済協力は実行までにかなりの難関がある。中国側には、北朝鮮の港湾への進出を切望する理由がはっきり存在しており、中長期的には、中国による北朝鮮の港湾接収は時間の問題」と語った。

李竜洙(イ・ヨンス)記者
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