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検証への積極関与要望 石巻・大川小遺族、文科省訪問
東日本大震災の津波で児童、教職員84人が死亡・行方不明になった宮城県石巻市大川小の児童の遺族有志が11日、文部科学省を訪れ、被災状況の検証作業を進める石巻市教委の対応が不十分だと訴え、文科省が関与を強めるよう求めた。 訪れたのは6年生だった次女を亡くした佐藤かつらさん(47)ら母親4人。佐藤さんは「学校管理下でこれだけの犠牲が出たのに、1年半がたっても石巻市教委は真剣に向き合っているとは思えない」と非難した。 平野博文文科相は「二度とこのようなことがないよう、遺族の気持ちを踏まえて検証に対応したい」と答えた。 遺族側は、説明が二転三転したり、児童らの聞き取りメモを廃棄したりした市教委の対応に不信感を募らせている。8月にあった市教委との会合を撮影したDVDも提出。市教委が行った生存児童の聞き取りをめぐる質疑の際、市教委の担当課長が、調査担当の当時の部下に対し、口に指を当てて合図を送るような様子が映っている。遺族側は「隠蔽(いんぺい)を思わせる行為だ」と主張した。市教委の担当課長は取材に対し「考え事をしているときの自分の癖ではないか。隠蔽の意図はない」と釈明した。 遺族に対応した文科省の大路正浩学校健康教育課長は「検証が急がれるが、市だけでは解決できない状況だ。例えば遺族説明会に文科省も同席するなど、より積極的に関わる方策を考えたい」と述べた。 平野文科相は8月19日に大川小を初めて訪れ、石巻市が計画する第三者機関による検証作業と不明児童4人の捜索継続への支援を表明した。
2012年09月12日水曜日
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