東日本大震災で津波の犠牲になった七十七銀行女川支店(宮城県女川町)の行員・スタッフ3人の遺族らが11日、同行を相手取り、総額約2億3千万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。安全配慮義務に違反したとしており、銀行の防災対策が法廷で問われる。
訴状によると、昨年3月11日、同行女川支店には14人が勤務しており、地震の約10分後、支店長は支店の施錠や書類の金庫への収納、2階建て支店の屋上への避難を指示した。午後3時5分、帰宅した1人を除く13人が屋上に集まったが、3時30分ごろ、屋上まで達した津波に全員が流され、12人が死亡・行方不明となった。
支店は海から約100メートル。遺族らは、支店長が屋上を安全と信じ込み、徒歩約3分の標高約16.5メートルの指定避難場所へ避難させなかったのは、労働契約上の安全配慮義務に反していると主張。支店長への十分な安全教育を怠ったと訴えた。