1年半ぶり運航 福島空港発上海チャーター便
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故以降、国際線が運休している福島空港から10日、県内ツアー客ら140人を乗せた中国東方航空のチャーター便が上海に向けて飛び立った。本県から中国へのフライトは1年半ぶり。
佐藤雄平知事はじめ福島空港利用促進協議会と県議会日中議員連盟の訪問団22人、ツアー会社が企画した4泊5日の観光ツアーに参加した約120人が搭乗した。佐藤知事は13日まで滞在し、政府に本県への渡航制限緩和と中国東方航空に福島空港の上海路線再開を要望する。
本県-上海のチャーター便は14日にも運航する。15日には韓国の航空会社・ジンエアーが福島空港から韓国・済州島へのチャーター便を計画している。
■国際線復活に期待 県内ツアー客120人も搭乗
訪問団の出発式は同空港国際線搭乗待合室で行われた。約120人のツアー客が集まり、関係者からは「国際線の運航再開に弾みをつけたい」と期待の声が上がった。
ツアー客らを前に佐藤知事は「福島の正しい情報が伝わり、空路再開につながるよう皆さんと一緒に頑張りたい」とあいさつした。再開後は人、文化、経済の交流に一層力を入れる考えも強調した。
午前10時40分の出発に合わせ、キャリーバッグを手にしたツアー客が佐藤知事らと共に次々と機体に乗り込んだ。親族11人と上海や桂林などを観光するという郡山市の伊藤俊晃さん(73)は「日中友好の願いを込めてツアー参加を決めた。(国際線が再開され)中国人観光客にも福島にどんどん来てもらいたい」と期待した。
■北京、上海巡り支援など要請へ 佐藤知事
佐藤知事は10日午後、上海入りし、同日中に北京市に移動した。
11日は北京市で、中国民用航空局の李家祥交通運輸部副部長兼民用航空局長に定期路線再開への支援、中国日本友好協会の井頓泉常務副会長には本県への渡航制限緩和への働き掛けを要請する。在中国日本大使館では、丹羽宇一郎大使と面会する。
12日は上海市共産党委員会の兪正声書記に震災後の支援に謝意を示すとともに、路線再開への支援を求める。中国東方航空では、劉紹勇会長に路線再開を要請する。
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