ロシアのウラジオストクで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議に出席した胡錦濤・中国国家主席は9日、日本が尖閣諸島(中国名:釣魚島)を国有化する方針を決めたことをめぐり「日本は誤った決定を下してはならない」と述べた。
胡主席は同日、現地で野田佳彦首相と非公式会談を行い「日本は事態の重さを認識すべきで、中日関係の発展の大きな流れを守っていかなければならない」と述べた上で、上記のように発言した。中国国営の新華社通信が報じた。胡主席のこうした発言は、日本政府が進めている尖閣諸島の国有化方針に対し、正面から反対の意思を表明したものと捉えられている。日本は10日に行われる閣議で、尖閣諸島の国有化を決定し、11日に民間の地権者と売買契約を結ぶ予定だ。
胡主席はこれについて「どのような形であれ日本が釣魚島を購入するのは違法かつ無効であり、中国はこれに断固として反対する。釣魚島の主権問題をめぐる中国の立場は決して揺るがない」と述べた。だが、胡主席のこのような発言に対し、野田首相がどのような反応を示したかについて、新華社通信は一切報じていない。
一方、NHKの報道によると、野田首相は胡主席に対し「中国の発展は日本や地域社会にとっていいチャンスで、両国間の戦略的関係を深化させていきたい。(尖閣諸島問題をめぐる)現在の情勢については、大局的観点から対応したい」と述べたという。