東日本大震災:1年半 いわきの遺族ら初の洋上供養
毎日新聞 2012年09月11日 11時45分(最終更新 09月11日 12時51分)
東日本大震災の被災地は11日、発生から1年半を迎えた。430人(震災関連死を含む)が亡くなった福島県いわき市では、初の洋上供養が沖合で営まれた。同県会津美里町の会津薬師寺の住職らが呼びかけ、遺族ら約200人が参加した。
同市江名の江名漁港で護摩法要の後、漁船などで沖合に出て、般若心経がつづられた水溶紙の塔婆(とば)約1000枚を投じた。2人が犠牲になった江名地区は福島第1原発事故の影響で操業自粛が続き、北洋サケ漁などでにぎわった往時の面影はない。
同市平豊間の実家が津波で全壊し、70歳を超す両親が借り上げ住宅に暮らす主婦、熊谷佐季子さん(47)=同市=は親類2人を亡くした。「地震、津波、原発事故などに苦しむ古里の再建は遠いが、尊い命に報いるためにも古里を愛する心を忘れないでいたい」と、涙ながらに手を合わせた。【山本晋、中尾卓英】