特殊作戦用戦闘航宙機FX-01


FX-01は、オペレーション・スターブレードに参加した特殊作戦チーム(SAT:Special Attack Team)「チーム・スターブレード」が使用した特殊作戦用戦闘航宙機である。
複数機で運用していたことから標準型(量産型)航宙機と捉えられがちであるが、れっきとした少量生産の特殊作戦用戦闘航宙機である。
機体規格のみ将来的な量産を想定して標準航宙機と同等のものを使用しているが、兵装規格は特殊攻撃機として専用品であり、また本機の運用方法も独自のものが想定されている。

この機体を指して「ジオソード」というペットネームで呼ばれることが多い。
が、これは正しくない。銀河連邦宇宙軍すなわちUGSF的には「FX-01」というのが公認された名前である。
なお「FX」とは試作・少数生産機につけられる名称で、この機体が量産前のものであることを示している。

俗に言われる一般呼称「ジオソード」とは、元々はチーム・スターブレードの右翼強襲部隊のコールサイン (中央陽動部隊:エアロセイバー/2小隊10機・左翼強襲部隊:クロノエッジ小隊/1小隊5機、右翼強襲部隊ジオソード/1小隊5機、さらにこれらとは別にチームリーダー機がある)
のことである。

FX-01を指してジオソードという名称で呼ばれるようになった理由として、以下の理由がある。

オペレーション・スターブレードにおいて主要作戦目標は、
・敵戦闘母艦コードネーム「アイスバーグ」の破壊
・敵機動要塞コードネーム「レッドアイ」の破壊
・敵機動指揮艇コードネーム「コマンダー」の破壊
の 3大ターゲットの破壊

であったが、中央、左翼が作戦中に作戦遂行困難として撤退したなか、唯一右翼のジオソード隊のみが残り、かつ作戦を完遂するという功績をなし得たからである。
特に「レッドアイ」「コマンダー」の主要2大目標の破壊はジオソード隊のみが達成したことから、後に巷間でこの作戦が語られるにあたって、 「FX-01」よりも「ジオソード小隊使用機」の名が広く喧伝されたため、このような誤解へとつながった。

なお、ペットネームとして「ジオソード」の名前を持つ機体は別に存在する。
この後2450年ころに作られた標準型戦闘航宙機「S-90」に、この英雄的活躍を記念して命名されている。


■開発経緯■

特殊作戦で使われる航宙機というと、オペレーション・スターブレード以前では「ドラグーン」が提案した全周攻撃型航宙艇、 いわゆるガンナードーム・スタイルや、ギャラクシップ等が提案した高機動航宙機、いわゆるファイター・スタイルといった航宙機がメジャーであった。

とりわけUIMS戦に投入された「ドラグーン」は、初の対ETI宇宙空間戦という状況をものともせず敵中突破を敢行し、敵深奥の攻撃目標の破壊に成功した。
この戦いにおいて多数の敵に対しガンナードーム・スタイルでの突入作戦は非常に有効であったことが証明された。

その一方でガンナードーム・スタイルは完全な成功を収めたわけではなく、幾つかの課題を残した。
作戦当初のUGSFの見積りは、重航宙艇ゆえの比較的低速な強襲となるため、全周に配置された28門のガンナーステーションは、 ほぼ平均的に敵への攻撃ができるであろうという算段であった。

しかし戦闘後、各ガンナーステーションの攻撃負担率を前方、側方、後方の3セクションで解析した結果、 負担率が前49%:側方32%:後方19%となり、一部はデッドウェイトになっていたことが明らかになった。
UGSF当初の目論見は、結論だけを言えば無駄の大きいものであった。

この結果を受けて、次なるドラグーンのエヴォリューションモデルである「ドラグーンR」では、ガンナーステーション28門による全周360度攻撃から、 ガンナーステーション4門による90度に絞ったうえでドーム本体をターレット化し、回転させることで全周攻撃を可能としている。
さらにバサード・ラム・エンジン換装による強襲速度の向上と、シールドジェネレータのアップグレードによる性能の向上をはかり、後方は護衛機カットラスでカバードする方法をとった。
こうしてできたドラグーンRはガーブ突入戦に投入され、ドラグーンと変わらぬ性能が維持されることが証明された。
なお、このドラグーンRを更に進化させたのがドラグーンJ2である。

そののちにドラグーンへの逆提案として、ギャラクシップに代表される前方射線固定型の高機動戦闘航宙機も出現した。
が、数で押してくるギャラガ族の攻撃には機動力のみで解決というわけにはいかず、続く「ファイター」ではコンバインド・システムによる2機合体、 さらに「ブレストファイター」では3機合体を可能とし、次なる「オウガヘッダー」ではキャプチャ&ドローン・システムにより、 敵であるギャラガ族を捕獲し、ドローンとして使用することで攻撃範囲拡大、火力向上させるという解決案を用いている。
(後にこれが定型となり、ファイタースタイルが確定する)

ただ上記のいずれも、特殊な機能や、特殊な戦術をとれる機体であるにも関わらず、ワンオフあるいは極少量生産機という制限があった。
言い換えれば、戦術レベルでの性能の高さはともかく、作戦レベルでの成功率という点では(従軍作戦すべてが成功したとはいえ)博打に近い確率であり、 文字通り薄氷の上に成り立っていた。

これら戦訓から、UGSFは次なる準災害級敵対勢力(UIMSやギャラガ族等)への特殊作戦用戦闘航宙機の要件を以下のとおりとした。

1 UGSFで使う標準型戦闘航宙機の設計に近づけ、少量ながらも生産を行い、損失時にも代替機が用意できるものとする
2 高速性・高機動性を有し、敵中突破能力の高いものとする
3 かつ前方一定幅を攻撃できる射角調整機構を持つ砲台を装備する
4 砲台の換装が可能で多種多様な準災害勢力への対応が可能とする
5 かつ1~4条件を備えた機体の集団運用によって高いカバード性能を誇る
6 なお条件5は攻撃目標の大小により、作戦機数の増減で最適化対応が可能となることも含む

これがいわゆるソードスタイル・リポートである。

本要件を有事に対してもっとも有効と判断し、これに従い開発されることが決定した。
だがしかし、この量産性、コスト、高性能という一見矛盾する要件を充分に満たさなければならないというのは、いささか厳しすぎる一面があった。
それを示すかのように、UGSFから開発契約締結会社に入札が公示されたにもかかわらず、公示期間中に入札意思を示す開発会社は 全くといっていいほど無かった。

UGSFは、やむ無く軍直轄のUGSF航空宇宙研にての開発を決定し、開発各社には次期制式航宙機の優先採用を餌に協力を求めた。
この誘いに対し、ゼネラルリソース社、ニューコム社、アージュ・アビアシオン社、テラジ・ヘヴィインダストリー社他数社が協力を表明し、 航空宇宙研への開発者派遣が行われた。
開発時のエピソードを省くが、困難な研究開発の果てに完成したFX-01は、標準航宙機の体裁はとってはいたが、 運用方針的に従来の機体とはかなり構成の変わったものとなった。

出来上がった機体は早速SAT(Special Attack Team 特殊戦術運用作戦実行部隊)に引き渡され、運用検証が行われることとなった。
運用検証は、SAT内でも特にチーム戦闘に優れたメンバーで構成された「チーム・スターブレード」を組織したうえで、 模擬戦闘および性能評価が行われた。

いずれの検証においても、FX-01はその期待を裏切ることはなく、カタログスペックの近似値あるいはそれ以上を叩き出し、 小型航宙機サイズでありながら、これ1機でドラグーンの攻撃力の三分の一を持つという評価が下された。


■概要■

FX-01は、対準災害級敵対勢力向けの特殊作戦用戦闘航宙機である。
わずか20m超の機体に最新の技術を詰め込んだ機体であり、単機でも高性能を誇る。
機体各部の構成は以下の通りである。


・ソードフレーム(マスターフレーム)
機体中央部を前後に貫通する、すべてのスレーブフレームの基点となるフレームである。
前から前方シールドジェネレーター、航法系探査機器、航法コクピット、ガンナーコクピット、リアクターをもち、マスターフレームと呼ばれるだけの機能を有する。

シールドジェネレーターは、エネルギー障壁タイプのシールドを装備する。
特殊作戦機らしく通常のものよりシールド強度が高く、展開角も広めのものが用いられる。
ただしエネルギー消費や補機類のへの負担は大きく、稼働時間が低いという欠点を持つ。

航法コクピットとガンナーコクピットの2座である点も珍しい。
もともとドラグーン系が航法とガンナーを分離させているが、このサイズの航宙機で分離するパターンはFX-01が初である。
なお限定的ながら、単座時にも航法側で前方方向限定で射撃、ガンナー側で簡易的な航法指示を行うことができる。

オペレーション・スターブレードでは小隊5機中、隊長機と前衛2機の計3機が複座運用、後衛2機を単座運用とした。
単座運用機はガンナーのみとし、作戦時は隊長機あるいは前衛2機からの敵攻撃情報を元に、自動操縦によって回避を行いつつ追従する航法をとる。
なお、小隊損失の60%にあたる3機の撃墜、あるいは先導機となる隊長機と前衛2機が撃墜されると、小隊とした作戦の遂行が不可能となり撤退となる。

リアクターはリスクが高い対消滅反応炉を使用している。
対消滅反応炉は反応抑制が行いにくく、一方的に大エネルギーを発生することで炉内を痛める傾向にあり、稼働時間が短いことと、リアクターの運用時間の短さが欠点となる。
ただそれを押しても準災害敵対勢力向けの特殊作戦機としては能力不足の感もあり、やむなく採用したというのが本当のところである。
このリアクターで発生した光エネルギーは、一部を電力としてパーティクルキャノンとイオンドライブに、一部を光子エネルギーとしてフォトンドライブに使われる。


・キャノンフレーム(スレーブ1)
キャノンフレームは、交換可能な火砲ユニット、火器管制システムユニット、照準ユニットを1パッケージとしたスレーブフレームである。
「キャノンフレーム」は運用現場での通称で、設計名称はスレーブ1フレームと呼ばれていた。
FX-01ではマスターフレームの下部に付く形となっている。

標準フレームとして連射重視の連装パーティクルキャノンが装着される。
キャノンフレームという呼称は火砲型攻撃ユニットに使われる名称で、通常は総称してスレーブ1と呼ばれる。
ただ、スレーブは作戦内容ごとに換装可能となる予定であった。

計画では、単装&威力強化版荷電粒子砲の強化キャノンフレーム、半自律攻撃型のセミオートキャノンフレーム、強行偵察用の探査機器複合体フレーム、高機動作戦&潜入作戦用の人型動作肢フレームが予定されていた。
特に人型動作肢フレームは、SATが使用する人型ヴィークル(X型ヴィークル)からの設計を流用する予定であった。

これらのスレーブは、結局設計のみで作られることはなかったが、その設計は後のジオフレーム(3100年頃)に継承された。


・モビリティフレーム(スレーブ2)
モビリティフレームは、機動系機能が集約されたフレームである。
「モビリティフレーム」の名前は通称である。設計名称はスレーブ2フレームとなる。マスターフレームの両サイドに付く形となる。

搭載エンジンは、加速と通常推進を担当するイオンドライブ、高速移動用のフォトンドライブを併載するハイブリッドドライブである。
後年作られた「ジオキャリバー2」でもハイブリッドドライブが作られるが、あちらはDFD(ディアスタシオン・フィールド・ドライブ)と PD(フォトン・ドライブ)であるのに対し、技術レベルで10世代前、ドライブカテゴリで2世代前となるイオン・ドライブとフォトン・ドライブの組み合わせとなる。
とはいえ、この時代ではかなりの先進技術であり、先述の対消滅反応炉と合わせ、この時代での最新技術となっている。

イオン・ドライブ、フォトン・ドライブの両方のドライブは、ノズルを共有する形で搭載される。
イオンドライブは初期加速力に優れる反面、サイクロトロン等機器類が多く、かつ推進剤とその搭載スペースを必要とする。
フォトンドライブは初期加速が辛い反面、最高速と推進剤を必要としない(対消滅反応炉から直接光子エネルギーを引っ張ってこれる)特性を持つ。

使用推進剤の大幅な低減、機動性能の大幅な向上を狙う予定でFX-01に初めてこのハイブリッド方式が搭載されたが、 耐久テストではフォトンドライブの光子噴射でイオンドライブ用のサイクロトロンが著しく消耗し、稼働時間の大幅な低下も問題となった。

これら問題は、結局解決することなく、戦時改装母艦であるブルフィンチ級の装甲強化による敵艦隊深奥突入作戦とせざるを得なくなった。
なお、スレーブ2は機動を担当するユニットだが、エネルギーを一時保存するバッファキャパシターもこのフレーム内にある。
このフレームの拡張計画としては、大気圏内飛行(FitA)フレーム、高機動フレーム、ブースターフレームの設計が用意されていた。


・タンクフレーム(スレーブ3)
タンクフレームとは、対消滅反応炉用の燃料となる反物質を保管する槽のことである。
スレーブ2のキャパシターとは異なり、こちらは反応前の物質を保存しておくためユニットである。

反物質は普通のタンクでは反物質状態を保持できないため、このタンク内で浮遊させて保持する。
それでもゆっくりと対消滅反応を行い余剰のエネルギーを作ってしまうため、後部にはそれを排出するドレーナー(余剰反応生成物排出器)がついている。
ドレーナーは光あるいは熱変換して排出するため、スレーブ3の後部は常に光っているのが特徴である。
このドレーナーを指して推進器とする誤解も多い。

スレーブ3の拡張計画としては、稼働時間向上用のコンフォーマルタンクフレーム、ドレーンエネルギーをバッファキャパシターに蓄積し、 緊急時に噴射エネルギーとして転用するブースターフレームなどが予定されていた。


・シールドプローブ(スレーブ2ブランチ1およびブランチ2)
スレーブからさらに先にあるハードポイントは「ブランチ」と呼称し、親ユニットとなるスレーブフレームの名称と合わせ「スレーブ1ブランチ(番号)」といった形で呼ばれる。
スレーブ2にあるブランチ1と2には、左右方向をカバーするシールドジェネレータープローブが装着されている。
このプローブは、しばしば空力的な翼やアンテナと誤解されがちであるが、機能としては側面上下面および後方上下面の防御を担当するシールドジェネレーターである。
なお、スレーブ1の機首シールドジェネレータより出力は弱い。

これらブランチの数は増加すればするほど様々なオプションが搭載可能だが、エネルギーの消費が著しくなる欠点を持つ。
特にブランチに火砲ユニットを搭載する場合は、スレーブ1のキャノンユニットとの照準同期が構造上とれないため、 自律追跡型のミサイルや、レーダー、シールドジェネレーター、強化通信アンテナといった独立稼働系のユニットの装着に限られている。
これらブランチユニットとの同期処理は、オペレーション・ブループラネットに投入された「ジオキャリバー」の出現まで待たねばならなかった。

・ワープドライブユニット(スレーブ3ブランチ1およびブランチ2)
(ゆっくり更新中。気長にお楽しみください。)


unitedgalaxyspaceforce.com(U.G.S.F.非公式ファンページについて)

こちらは「U.G.S.F.」シリーズのファンページです。(株)バンダイナムコゲームスの公式HPではありません。
元々はNewSpaceOrderの2010年版エイプリルフール用のネタページだったのですが、そのままお蔵入りはもったいないということで、U.G.S.F.のファンである「エンスーT」の個人的サイトとして再スタートいたしました。
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