★コンビニから村のよろず屋まで変幻自在★
(和歌山県有田市、JR箕島駅近く。しかし2010年夏に閉店)和歌山県民にとって、「ナイトショップいしづち」は、相当身近な存在らしい。グーグル検索すれば、「懐かしい!」「まだあったんだ!」といった声が飛び交っているし
和歌山市在住の知り合いによれば、和歌山土着のコンビニで、よく使ってたらしい。
コンビニが全国展開する以前、30年ほど前から和歌山県内に点在し、当時から「ナイトショップ」という名の深夜もオープンしている店という営業形態だったという。
またもいしづち発見。
しかし、見た感じコンビニというより、釣具店みたいな規模の小さな店。
もしくは、駄菓子屋といった風貌だ。
「ナイトショップ」だけあって、深夜2時まで営業しているらしい。
(和歌山県有田市)この店構えは、真新しい。
つい最近オープンしたのだろうか?
しかし、あの怪しいふくろうと筆で書いたような書体は健在だ。
(※この店舗をgooglemapで見ると、ファミリーマートが表示されていた。ファミマ跡にいしづちが新装開店するのはかなりレアケース!)

(和歌山県海南市。ちなみに、有田川町にも店を発見した。)また、これは一番上の写真と同じ敷地にある別の棟だ。
コンビニ風の店とは別に、なぜか
スロットマシンばかりが置いてある。このように、
いしづちの店舗は、コンビニ型やよろず屋型、よくわからない型と、いくつものバリエーションがあり、面白い。★ナイトショップをのぞいてみよう★
それでは、某店舗をのぞいてみよう。
中身は普通のコンビニといった感じだが…。
おや?やたらと本棚が大きい。
そう、これがナイトショップいしづちの特徴。
エロ本、エロビデオの品揃えが良すぎるのだ。
店の壁一面に、ポルノコーナー!エロDVDがズラーッと並び
幹線道路沿いにあるような、エロビデオ専門店でも手に入りにくいエロ雑誌やエロ漫画が揃っているのだ。
エロ雑誌(エロマンガ含む)だけで、30~40種類はあったと思う。
また、この店は弁当やおにぎりが美味いのだ。
弁当は別業者による手づくりで、おにぎり(バクダンおにぎり・210円)は店のおばちゃんによる手握りで、いずれも好評だという。店の人によれば、朝方の出勤時に、出来立てのおにぎりを買っていく人が多く、おにぎり目当ての常連客も出るくらいだという。
朝の客も多いが、ナイトショップというだけあって、品揃えは夜の男向けに作られている。
(もちろん、主な客層は男性、そして、昔ながらの常連客)
ビジネスマン御用達の容器入りガム、ライターとガスライター用ボンベ、そして花札。
独特な品揃えだ。
お酒やおつまみ、タバコも品揃えがよく、先のポルノの壁といい、ミーハーな感じがせず、媚びがない、男の店といった感じがした。他には、
ホームセンターで取り扱っているような日用品があるということ。
洗剤、殺虫剤、調味料などが、小さなパッケージでなく、ホームセンターで見るようなサイズで売られているのだ。
市指定のゴミ袋がズラリ並んで売られているのには、驚いた。
このように、地域に密着しているせいか、品揃えが独特だが、
それ以外はほとんどコンビニだ。
菓子パンやカップ麺、お菓子や雑誌、ジュースなど、おなじみのものが揃っている。
店の人によると、この店は
30年前から営業しているという。
全国区のコンビニが進出し、コンビニという呼び名が一般的になる前から
和歌山県中部、和歌山市では「ナイトショップ」という呼称が定着していたという。
この頃、コンビニや深夜に営業している店は少なかったので
「いしづち」は相当儲かったという。いしづちの全盛期だったそうな。
しかし、全国区のコンビニが進出し、国道沿いに深夜営業の店が次々できることで
和歌山県内の「いしづち」は、減っていった。
「
コンビニ戦国地図」というサイトの2000年の調査(インターネットタウンページを使用)では、
和歌山県内のいしづちは、8店舗だった。
近県(大阪府、奈良県、兵庫県)にもいしづちはあったが、徐々に数を減らし、今では、1県に1、2店舗程度に減ってしまった。
和歌山県の店も徐々に減っているので、ひょっとしたら確認が取れた3店だけかもしれない。
★愛媛県の方が実は本場!★
(ナイトショップいしづち城辺店・愛媛県愛南町)さて、このいしづちは、
愛媛県にも店がある。
先の「コンビニ戦国地図」では、18店舗(00年当時)あり、
いしづちの数は最も多いのだ。
それもそのはず。
いしづちは名前からして、愛媛県発祥の会社だ。
「いしづち」は、
愛媛県を代表する名峰、
「石鎚山」から取られている。和歌山県発祥のコンビニと思っている
和歌山県民もいるが、そうではない。
愛媛でも同じように、いしづちは県民におなじみのコンビニになっているそうだ。
しかも、店の形態が、コンビニ型やビデオショップ型、
果ては、写真のような昔ながらの町のよろず屋タイプのとんでもない店まであり、やはり多岐にわたっている。
ここで疑問が起こる。
なぜ愛媛県を中心に展開する「いしづち」が、全く関係の無い和歌山県に多くの店ができるのだろうか?「コンビニ戦国地図」によると、
和歌山県が8店、三重県が4店、兵庫県が5店、広島県、高知県、奈良県が3店
となっている。
この店の形態は、チェーンというより、のれん分けだという。
分かれていった店から成り立っているようだが、
現在、いしづちの本部は存在しない。営業の本部がなく、店主がいしづちを名乗っているのだそうだが、本当のところは私も知らない。
雰囲気から店の営業形態まで、真に迫ろうとすればするほど、謎が増えていくのが、「ナイトショップいしづち」の謎なのだ。
◆参考サイト:「
四国のナイトショップいしづちを全部訪問」(「新谷さんは働いてるのでお前らより偉い。」より)
「
コンビニ戦国地図」(2000年時点で、いしづちは店舗数が全国35位だそう。)
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自分はナビに入ってるデータとネットにある電話帳の範囲でしか調べられませんでしたが、
まだまだ電話帳に載せてないような店が僻地でひっそりと生息してるかもしれませんね、城辺店を見てそう思いました。