さて、やすさんが「番付発表の朝、花風社から二つのお知らせ」に書いてくださったコメントを見て
私はあることに気づきました。
神田橋先生がおっしゃってたこの言葉。
「強みは弱みの裏にある」
そして長沼先生がおっしゃっていたこの言葉。
「満遍なくやられてはいないんです。どこかはね、強いんです」
そしてニキさんのこれ。
「残存能力で勝負する」
こう考えると、少なくとも一部のASDの人にとって
「反骨精神」は強みになるのだなあと思ったのです。この社会を生き抜いていくためのね。
ちゅん平さんの新作から引用します。
=====
私が発達障害という診断を受け、八年の歳月が流れた。
以前と比べると、格段に情報がある今の世の中で、これから私たちは、ふたつの方向に別れていくだろう。
あくまで、できないことを受け入れてもらいたいと思う人。
一方で、私たちにも努力が必要で、自分の方から社会に寄り添っていく人。
どちらが正しいとは言えないが、私は後者を選んだ。
それは、これまでの人生の歩み方から導き出した答えだ。
=====
ちゅん平の新作はね、泣きます。
私は原稿を読みながら、何度も泣きました。
もちろん泣かない人もいると思います。
頑張る人を応援できない人(この世界には多い)なら涙腺は緩まないでしょう。
頑張る人を目障りに思う人は、どこが感動的かわからないでしょう。
名誉なんとかという議論をしている自分たちが、差別的な人間だと気づかないようなオバカさんにとっては何が感動的かわからないでしょう、
ニートを目標にせよという医者にとっては読む意味のない本でしょう。ちゅん平のニート脱出の記録なのだから。
だけどね、今回の吉川医師の発言を見て
ちゅん平は昨日、こう言いましたよ。
=====
わはは。でも、悪いですが、吉川やベムが切望している社会にはさせません(キッパリ)。
人生かけて阻止します(笑)。それくらい強い意志持って、今度の本書きましたから。
=====
ちゅん平の名の由来は、すずめのようにびくびくしていたから。
だけどどうやら、猛禽類になる日も近そうです。
反骨精神は財産ですね。心身を強くします。
障害者にニートになることを推奨するようなセンセイはきっと
障害のある人の中に、反骨精神が潜んでいること、それが生きる力をもたらすことなどに気づかないのでしょう。
人を見る目がないですね。
さて、反骨精神といえばこの人。
八歳のときの文章。今見るとなつかしい。
文章の面でも、大人になりましたね。
そしてその後の成長ぶりは、皆さんご存知のとおり。
もう一度貼っておきますね。
この後この少年は、さらに二冊本を出して
皆勤賞を取ったり、運動会で悲願のビリ脱出を遂げたりしました。
今になって読むと、味わい深いものがありますので、あえてもう一度皆さんとシェアします。
=====
そらパパさんへお手紙
僕が本を出したらずいぶんそらパパさんにやられました。どうして人の事をこんなに馬鹿にするのか解りません。僕はずいぶん我慢しました。僕は本にするのはやめようと思いました。でも、僕の本を読んで泣いて喜んでくれる人がいました。それはパニックになったり、暴れん坊になる時の気持ちや辛いことが解るからです。僕はこれからも自分のために修行で解ったことや、研究した自分の事は書きます。それを浅見さんや栗林先生や岩永先生に見てもらおうと思います。それで必要なら僕はみんなのために本にしてもいいと思う事にしました。
でもそらパパさんはもう絶対に大地の本は読まないでください。買わないでください。便利に思わない人は買わない方がいいです。僕の本について文句があるなら僕に言ってください。僕は男です。僕が全部聞きます。ネットなどでこそこそやるのは止めてください。僕はそらまめちゃんとは少し違いますが、やっぱり自閉症の一つアスペルガー症候群です。でも、文句を言われる覚えはありません。そらパパさんは余計な事ばかりいるので悲しくなって泣く人がいます。そういう人達にも会いました。人が調べた研究や、一生懸命に書いた本をヒドイいいようです。
僕が働くのは変なことですか? 自閉症の人は働いちゃいけないですか? それとも話が出来る自閉症だから差別しているのですか? 出来ない事がたくさんある癖に「働きたい。」ということは無理なことだと思っているのだと思います。でも、僕は働きたいです。交流級でだって役割をやらないでいると「給食だけ食べにくる。」と言っていじめられます。そらパパさんは星野富広さんを知っていますか? 怪我をして顔しか動きませんが、口を使って立派に自分の仕事をしている人です。僕は手も足も動くので働く人になりたいです。
僕が暑さや寒さに負けたり、学校に行けなかったり、姿勢が正しく出来なくて一反木綿になったりするので悪く言われても仕方がないかもしれません。でも僕はそらパパさんには負けません。僕は絶対に働く人になります。そして僕は自閉症の博士になります。楽しい修行は出来ない事を出来るようにしてくれます。頑張れば周りの人が仲間にしてくれます。そして応援してくれます。働かないとご飯は食べられません。僕は自閉症です。アスペルガー症候群です。でも、障害者の仲間には入れません。だから僕は頑張るしかありません。僕は立派な大人にはなれない可能性の方が多いです。それでも一生懸命に生きる男になります。そして、男なので弱い人を守れる人になりたいです。
だから、僕の本に文句や意見があるなら僕に言ってください。僕が全部聞きます。質問も答えます。勝手に予想して、大人同士でこそこそ悪口はやめてください。
中田大地
*本文の一切の無断転載・引用を禁じます。 花風社 代表取締役 浅見淳子

私はあることに気づきました。
神田橋先生がおっしゃってたこの言葉。
「強みは弱みの裏にある」
そして長沼先生がおっしゃっていたこの言葉。
「満遍なくやられてはいないんです。どこかはね、強いんです」
そしてニキさんのこれ。
「残存能力で勝負する」
こう考えると、少なくとも一部のASDの人にとって
「反骨精神」は強みになるのだなあと思ったのです。この社会を生き抜いていくためのね。
ちゅん平さんの新作から引用します。
=====
私が発達障害という診断を受け、八年の歳月が流れた。
以前と比べると、格段に情報がある今の世の中で、これから私たちは、ふたつの方向に別れていくだろう。
あくまで、できないことを受け入れてもらいたいと思う人。
一方で、私たちにも努力が必要で、自分の方から社会に寄り添っていく人。
どちらが正しいとは言えないが、私は後者を選んだ。
それは、これまでの人生の歩み方から導き出した答えだ。
=====
ちゅん平の新作はね、泣きます。
私は原稿を読みながら、何度も泣きました。
もちろん泣かない人もいると思います。
頑張る人を応援できない人(この世界には多い)なら涙腺は緩まないでしょう。
頑張る人を目障りに思う人は、どこが感動的かわからないでしょう。
名誉なんとかという議論をしている自分たちが、差別的な人間だと気づかないようなオバカさんにとっては何が感動的かわからないでしょう、
ニートを目標にせよという医者にとっては読む意味のない本でしょう。ちゅん平のニート脱出の記録なのだから。
だけどね、今回の吉川医師の発言を見て
ちゅん平は昨日、こう言いましたよ。
=====
わはは。でも、悪いですが、吉川やベムが切望している社会にはさせません(キッパリ)。
人生かけて阻止します(笑)。それくらい強い意志持って、今度の本書きましたから。
=====
ちゅん平の名の由来は、すずめのようにびくびくしていたから。
だけどどうやら、猛禽類になる日も近そうです。
反骨精神は財産ですね。心身を強くします。
障害者にニートになることを推奨するようなセンセイはきっと
障害のある人の中に、反骨精神が潜んでいること、それが生きる力をもたらすことなどに気づかないのでしょう。
人を見る目がないですね。
さて、反骨精神といえばこの人。
八歳のときの文章。今見るとなつかしい。
文章の面でも、大人になりましたね。
そしてその後の成長ぶりは、皆さんご存知のとおり。
もう一度貼っておきますね。
この後この少年は、さらに二冊本を出して
皆勤賞を取ったり、運動会で悲願のビリ脱出を遂げたりしました。
今になって読むと、味わい深いものがありますので、あえてもう一度皆さんとシェアします。
=====
そらパパさんへお手紙
僕が本を出したらずいぶんそらパパさんにやられました。どうして人の事をこんなに馬鹿にするのか解りません。僕はずいぶん我慢しました。僕は本にするのはやめようと思いました。でも、僕の本を読んで泣いて喜んでくれる人がいました。それはパニックになったり、暴れん坊になる時の気持ちや辛いことが解るからです。僕はこれからも自分のために修行で解ったことや、研究した自分の事は書きます。それを浅見さんや栗林先生や岩永先生に見てもらおうと思います。それで必要なら僕はみんなのために本にしてもいいと思う事にしました。
でもそらパパさんはもう絶対に大地の本は読まないでください。買わないでください。便利に思わない人は買わない方がいいです。僕の本について文句があるなら僕に言ってください。僕は男です。僕が全部聞きます。ネットなどでこそこそやるのは止めてください。僕はそらまめちゃんとは少し違いますが、やっぱり自閉症の一つアスペルガー症候群です。でも、文句を言われる覚えはありません。そらパパさんは余計な事ばかりいるので悲しくなって泣く人がいます。そういう人達にも会いました。人が調べた研究や、一生懸命に書いた本をヒドイいいようです。
僕が働くのは変なことですか? 自閉症の人は働いちゃいけないですか? それとも話が出来る自閉症だから差別しているのですか? 出来ない事がたくさんある癖に「働きたい。」ということは無理なことだと思っているのだと思います。でも、僕は働きたいです。交流級でだって役割をやらないでいると「給食だけ食べにくる。」と言っていじめられます。そらパパさんは星野富広さんを知っていますか? 怪我をして顔しか動きませんが、口を使って立派に自分の仕事をしている人です。僕は手も足も動くので働く人になりたいです。
僕が暑さや寒さに負けたり、学校に行けなかったり、姿勢が正しく出来なくて一反木綿になったりするので悪く言われても仕方がないかもしれません。でも僕はそらパパさんには負けません。僕は絶対に働く人になります。そして僕は自閉症の博士になります。楽しい修行は出来ない事を出来るようにしてくれます。頑張れば周りの人が仲間にしてくれます。そして応援してくれます。働かないとご飯は食べられません。僕は自閉症です。アスペルガー症候群です。でも、障害者の仲間には入れません。だから僕は頑張るしかありません。僕は立派な大人にはなれない可能性の方が多いです。それでも一生懸命に生きる男になります。そして、男なので弱い人を守れる人になりたいです。
だから、僕の本に文句や意見があるなら僕に言ってください。僕が全部聞きます。質問も答えます。勝手に予想して、大人同士でこそこそ悪口はやめてください。
中田大地
*本文の一切の無断転載・引用を禁じます。 花風社 代表取締役 浅見淳子
という言葉の意味をずっと考えて
いましたが、最近やっとわかりました(遅っ)
私の新仕事の実習は来月からになりました。
とても不安で怖いですが(非合理な?不安感情)
大地くんと藤家さんが頑張っているので私も
頑張りたいと思います。
藤家さんと大地君の文章は泣けます。
大地君の文章を読むといろんな思いが浮かんできます。
私も息子と一緒に頑張っていきたいと思っています。
ただ、その子の強みを一点突破で強化する試みは自己肯定観を高め、その子の人間存在を強くするものだと私は思います。
私にとって、「家事をする引きこもり」は噴飯ものの目標ですが、それをありがたがるご家庭もあるので、それはそれでそのご家庭やご本人の自由意思と自己責任で選択すればいいのだと思います。
それはリスクを取って極力社会でふつうに生きようとしている私たちにも言えることです。一時障害も二次障害も三次障害も、社会も医療も責任はとれません。自分でやりくりするほかありません。
困ったことに、医療サービスは家電製品を買うようにはなかなかいかない。発達障害を受け入れるかどうかとか(メニューのラインナップ)、どういう目標で治療するのか、とか、実際に医療を受けてみて、あとは自分で労力使って調べるしかないじゃないですか。現に、吉川徹医師によって明らかにされた治療の前提が、吉川徹医師個人の者なのか、名古屋大学病院児童精神科の共通認識なのか、名古屋大学発達臨床教室全体の認識なのか、確認が取れていません。
困ったものです。
私はまこさんのついーとをいつも見ていて、この人はある意味私より社会を知っていると敬意を持っています。早くから親元から自立していらっしゃるし。発達障害があっても、そういうことができる人はいるのですよね。吉川は知らなくても。
医師とて、修行期間の長い職業でもあり、患者や患者の保護者の方が、ずっと社会を知っていることもあるはず。その医師がなぜ人の人生を決定できるような神の視点を持つのか、これまで丈夫で医療とかかわりの薄かった私には解せません。この問題は、また記事にしようと思います。
新しい門出を、心から応援しています。またお話聞かせてくださいね。
ここにもまたお越しくださいませ。
そうですよね。保護者の中にも反骨精神はあって、それは生きる力につながります。そして当人の中にもあるはずです。それを見抜けない支援者は使えないですね。
結局、当事者に嫌われることを怖れる支援者というのは、子どもを社会に送り出せないと思います。
大地君の文章に共感を覚えてくださるのなら、修行仲間と思って一緒に頑張ってください。
ここにもまたお越しくださいませ。
今度のコメントも、大きな示唆をいただいているので、ASDの人と反骨精神について別記事で展開させていただきます。
またお越しくださいませ。