9月に発足となる原子力規制委員会の初代委員長に、田中俊一氏が内定しました。
原子力規制委員会は、原発の再稼働する判断を行ったり、新しい安全基準を作るなど原子力の今後を決める重要な組織となります。
田中俊一氏は福島県出身であり、放射線物理が専門で、2009年まで原子力委員会・委員長代理も務めるなど、原子力行政の中心にいた人物です。
原発事故後は、原子力を進めて来た事を謝罪したり、福島県内で除染作業に取り組んだりもして来ました。
しかし田中氏は、「100ミリシーベルト以下では健康の影響は大きくない」と発言したり、「自分もJCO事故の時に、一晩で10ミリシーベルトを被曝した事があるが、人間は結構放射線には強い所もある。」と述べています。
また、「エネルギー利用は、原子力のひとつの側面であり、これを完全に閉ざさない為の研究開発は大事にしていきたい。」とも発言しています。
田中氏の専門分野は、原子炉の構造ではなく放射線の遮へいで、放射線をどう防ぐかです。
その為、事故が起きた時に対応を懸念する声もあるようです。
政府は、この人事案を20日に国会に提出する予定でしたが、事前報道によって自民党が強く反発したため、来週以降の提示を目指す事になりました。
この人事をめぐって「報道ステーション」にゲスト出演した政治史学者の御厨貴(みくりやたかし)氏は、このようにコメントしています。
「こと原子力に関しては、みんなもうものすごい不信感がある。
田中氏についても、完全にフリーハンドではない。
その事を謝ってもいるが、彼に今後の原子力の規制行政を託せるかと言うと、やはりうーんと思うのが普通。
ただ、おそらく人材がいないのだろう。彼を選んだ理由をきちんと説明して欲しい。
しかしデモをみれば分かるように、今の国民の政治に対する不信感の背景を考えると、この人事はかなり無神経なものと言わざるを得ない。」
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田中俊一氏は、放射線の危険性に対して恐れを持っていない方のようだと感じました。
福島原発事故の放射能の被害は、実際まだ表立ってはありません。
心筋梗塞で亡くなる人が増えていても、因果関係はないと済まされています。
だから、放射線に人間は強いなどと言う考えを持っている方では、原発に対しても危険性を感じないでどんどん再稼働させてしまう恐れがあります。
本当に放射能の危険性を理解している人、国民の命の問題を真剣に考えてくれる方を委員長に望みます。
テーマ:原発をなくそう