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尖閣諸島は、琉球諸島西方の東シナ海に位置する。おもな島は、大正島と魚釣島、北小島、南小島、 そして久場島の5島で、ほかにいくつかの岩礁がある。この5島のうち大正島のみ国有地だ。ほかの4島は個人所有となっている。この個人所有の魚釣島、北小島、南小島の3島をめぐり、いま東京都と政府との間でどちらが買い取るかという綱引きがおこなわれてきたのだ。
そもそも、尖閣諸島の買い取りを言い出したのは、石原慎太郎東京都知事である。4月16日にワシントン市でおこなった講演で石原さんが、「日本人が日本の国土を守るため」購入すると発言したのだ。9月6日の段階で、14億6千万円を超える東京都への寄付金が集まっている。これだけ多くの寄付金が集まったのは、2010年9月に起きた、海上保安庁の巡視船への中国漁船の体当たり事件がきっかけだろう。日本人の多くが、国土に対する意識をおおいに刺激されたのだ。にもかかわらず、李明博韓国大統領の竹島不法上陸や、香港活動家による尖閣への上陸などの事件が相次いで起きた。
それは、なぜか。最大の理由は、日本とアメリカがギクシャクしているためだと僕は思う。尖閣諸島や竹島の問題は、民主党だけの責任ではないという声もよく聞かれる。たしかに、歴代の自民党政権は何もしてこなかった。問題を先送りにして、尖閣諸島周辺で日本の漁船が漁をできないという状況を放置してきた。確かに、そんな外交のツケが、いま噴出したのだといえる。ただ、その自民党の責任以上に民主党に問題があると僕は思う。
李大統領が竹島に不法上陸したのも、香港活動家が尖閣に上陸したのも、日本とアメリカの関係がよくないところに付け込まれたのだ。日本とアメリカの関係がよくない、だから日本に対して多少変なことをしてもアメリカは文句を言わないだろう、と思わせてしまったのだ。
先日、僕は民主党の幹部と話した。そして、竹島の問題については、アメリカに仲裁してもらうようにいってはどうかと提案してみた。それに対して幹部は、「いまアメリカとの関係は悪い。鳩山さんが無茶苦茶にしてしまった」と答えたのだ。自民党が長年にわたって築き、保ってきたパイプを民主党はいとも簡単にぶち壊してしまった。ここに問題のすべてがあるのだ。
かつて日本と韓国の間のパイプを持っていたのは、竹下登さんだった。彼は1990年から10年間、日韓議員連盟の会長を務めた。その竹下さんのパイプを引き継いだのが、野中広務さんだった。日本と中国のパイプは、まず田中角栄さんが築き、その後に大平正芳さんが継いだ。そして、最後は野中さんへと引き継がれていった。ロシアとの関係は、いまも森喜朗さんが持っている。
一方、民主党はどうか。パイプを作ることはできていない。国と国との間のパイプを作るには、何年もの時間がかかるものだ。日本が持っていたパイプを民主党は、いとも簡単にぶち壊した。これは重大な失策であろう。そもそも民主党は、外交というものを知らずに政権をとった。それまで野党だったのだから、政権交代当初は仕方なかっただろう。だが3年を過ぎたいまになっても、まだ何もできていないのだ。
民主党も自民党も代表選が目前に迫っている。しかし、外交が焦点となることはほとんどない。外交を知らないリーダーに国の舵取りを任せることはできない。誰がふさわしいリーダーなのか。そういう視点でも、僕は見ていきたいと思う。
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雑誌『オフレコ!』の責任編集長も務める不屈のジャーナリスト
2012年06月18日 ガイドラインを変更しました。