東日本大震災:福島第1原発事故 東電テレビ会議公開映像検証 現場、募るいらだち 首脳、危機感乏しく(その2止)
毎日新聞 2012年08月22日 東京朝刊
<清水氏「現時点では、まだ最終避難を決定しているわけではないということをまず確認させてください。それで、今しかるべきところと確認作業を進めております」>
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午後9時すぎ、突然、免震重要棟で拍手と歓声が上がる。水位計が突然復旧したためだ。直後、新潟県中越沖地震で事故を経験した柏崎刈羽原発の現場が忠告する。
<本店「(おどけて)だれかの誕生日ですか?」>
<第1原発「今ようやく水位出ました」>
<本店「やったあ」「おめでとう」>
<横村氏「水位計をね、信じちゃだめだよ。(水位計は)完全に乾ききっていると高めに表示するから」>
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真っ暗で線量も高く、現場に近づくのは簡単ではない。SR弁を開く作業を進めるも、なかなか開かない。ベントも急ぐ必要があるが、遅々として進まず、本店と現場で緊迫したやりとりが続く。
<本店「高圧の状態で炉心損傷しますと、ほんの数時間で格納容器破損までいきます」>
<第1原発「かなりシビアな話だと思います」>
<早瀬佑一顧問「一番開きやすいSR弁を探して早くバッテリーをつないで!」>
<吉田氏「はい。はい」>
<第1原発「ベントが一番先だ」「早急にドライウェルの小弁を開けなきゃいけない。許可をいただけますか」>
<高橋氏「やってくれ。やらないと壊れちゃう」>