トークショーで中西哲生氏(中)とメニコンカップの思い出を話す田中隼磨(右)=9日、瑞穂球技場で
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名古屋グランパスのDF田中隼磨(30)が10日、シーズン終盤へ向けて壮大な目標を設定した。「Jリーグでの総失点が34点。残り試合全部無失点でいけば、34試合で同じ失点数になる」と残り10試合を全試合完封勝ちで飾ると豪語。その先には奇跡の逆転優勝を見据えている。
妄想でも絵空事でもない。首位仙台と勝ち点7差の6位につけるグランパスにとって逆転Vは厳しい状況だが、田中隼は明確な答えを導き出していた。「Jリーグでの総失点は34点。残り試合全部無失点でいけば、34試合で同じ失点数。それくらいの気持ちでやる」。もう1点も与えないと力強く語った。
10試合連続完封を現実にするだけの根拠はある。最近のJリーグでは川崎、柏と攻撃力の高い2チームに対していずれも1−0で連勝。8日の天皇杯FC刈谷戦でも得点を許さなかった。
田中隼は「1−0はウチが強いときの勝ち方。チーム状態はよくなっている。守備陣が迷惑をかけてきた部分はあったけど、結果を出すことで強さを取り戻してきた」と自信を口にする。玉田、ケネディら故障者も続々と復帰してムードは上々。チームとしての守備意識が高まっている。
刺激を受ける出来事もあった。田中隼は9日に行われた15歳以下の中学生年代のオールスター戦「メニコンカップ」をゲスト観戦した。15年前に自らが出場した大会だ。「当時のポジションはトップ下。あんなに大勢の前でプレーしたことはなかった」と昔を思い出す。
「あのころは練習が終わっても街灯の下でボールを蹴っていた。サッカー選手としての姿勢は今も変わらない」。ひたむきにボールを追う中学生の姿に、自分の原点を再確認した。
FC刈谷戦は疲労を心配するストイコビッチ監督のはからいで欠場。「監督の思いには次の試合のプレーで応えたい」と田中隼。鉄壁の守りで勝利を呼ぶ。 (木村尚公)
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