ソウル市内にあるサムスン電子の営業拠点。今度は複合コピー機で日本企業の追い落としを図る(ブルームバーグ)【拡大】
過去10年間にわたりテレビや半導体メモリー、携帯電話分野などで日本企業の牙城を次々に切り崩してきた韓国のサムスン電子が、新たな標的として、コピー機やプリンターの機能を備えたオフィス用複合機に照準を合わせている。米電子機器大手アップル製スマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」にも搭載されているチップによる高速処理を売り物に、同市場で上位を占める日本勢の追い落としを図る。
半導体の強み発揮
サムスンは今回新たに市場投入したオフィス用複合機に自社製のチップを採用。同じチップを搭載するアップルの「iPhone 4S」並みに高い処理速度を実現した。サムスンによれば、このチップがコピー機やレーザープリンターに採用されるのは今回が初めて。A3判カラーコピーの場合、競合機種の2倍の速さで印刷できるという。現在サムスンとアップルが争っている知的財産権をめぐる訴訟に、同チップは関連していない。
韓国トンヤン証券のアナリスト、ブライアン・パク氏(ソウル在勤)は「サムスンにとって半導体技術は、常に他社との差別化を可能にする要素であり続けた。現在もデジタル製品の分野で、その強みを遺憾なく発揮している」と説明した。