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東アジア地域における広域経済連携構想
(概要)
平成24年5月
1.EAFTA・CEPEAに関する検討状況
- 05年4月
- 中国の提案により,東アジア自由貿易圏構想(EAFTA「イーフタ」,ASEAN+3)の民間研究開始。
- 07年6月
- 日本の提案により,東アジア包括的経済連携構想(CEPEA「セピア」,ASEAN+6)の民間研究開始。
- 10年9月
- ASEAN側はASEAN+3とASEAN+6双方に関する4つの作業部会に関し,域外国も交えた議論を開始。【参考1】
- 原産地規則作業部会: 10年4月から11年9月にかけて6回の作業部会を開催(当初はASEAN側のみで開催)
- 関税品目表作業部会: 10年5月から11年3月にかけて4回の作業部会を開催(同上)
- 税関手続作業部会: 10年6月から11年8月にかけて3回の作業部会を開催(同上)
- 経済協力作業部会: 11年3月及び6月に作業部会を開催(対話国を交えた会合のみ開催)
2.新しい作業部会の設立に関する日中共同提案
- 11年8月
- 日中共同提案としてASEAN+3とASEAN+6双方に関する3つの作業部会の設立をASEAN側に提案。
3.RCEPを巡る動き
- 11年11月
- ASEAN側は日中共同提案を踏まえ,東アジア地域の包括的経済連携(RCEP(「アールセップ」,Regional Comprehensive Economic Partnership の略)に係る3作業部会(物品貿易,サービス貿易,投資)を設立する ことで一致。東アジアサミットは同共同提案を考慮し,ASEANの決定を歓迎。【参考2(1)】
- 12年4月
- ASEAN首脳会議において,ASEAN側は年内にRCEPの交渉開始を目指すことで一致。物品貿易,サービス貿易及び投資に関する作業部会を可及的速やかに立ち上げるとの決定を歓迎。【参考2(2)】
- ASEAN経済大臣が訪日した際(ASEANロードショー)には,日本とASEANの経済大臣の間で,年末までの交渉開始に向けて取り組んでいくこととした。
- 12年5月
- 日中韓サミットにおいて,三首脳は,RCEPに関して,交渉開始に向けて議論を加速化するため,新たな作業部会を遅滞なく設置できるよう三か国で協力していくことで一致。
- 現在,3作業部会の立ち上げのために,ASEAN側が準備を行っているところ。
(なお,現在,5つのASEAN+1のEPA/FTAがある。【参考3】)
(参考資料)
【参考1】作業部会の成果
- 原産地規則作業部会・税関手続作業部会: 将来の交渉の参考文書として,拘束力のない文書として原産地規則に関する条文案の「ひな形」を作成
- 関税分類作業部会: 2012年版ASEAN関税分類を今後の作業の基礎文書とすることを提言
- 経済協力作業部会: 経済協力の進め方について議論
【参考2】ASEAN関連会議における今後の作業部会等に関する言及
- (1) 東アジア首脳会議議長声明(2011年11月19日,関連部分抜粋)
我々は,日中の共同提案を考慮しつつ,物品貿易,サービス貿易及び投資に関するASEANプラス作業部会を設立するというASEANの決定を歓迎する。特に,2012年の早い時期に立ち上げられるであろう物品貿易の作業部会が,これまでの原産地規則,関税品目表,税関手続分野のASEANプラス作業部会の成果を確認し,必要な対応をするように指示されることに留意する。
- (2)第20回ASEAN首脳会議議長声明(2012年4月4日,関連部分(パラ49)抜粋)(仮訳)
我々は,昨年採択した,地域の包括的経済連携(RCEP)に関するASEANの枠組みの実施に係る進捗に満足した。我々はまた,包括的なRCEP協定の本年末までの交渉開始に間に合うよう,スコーピング作業を円滑に行うため,物品貿易,サービス貿易及び投資に関する作業部会を可及的速やかに立ち上げるという決定を歓迎した。我々は,地域の包含的経済連携(RCEP)におけるASEANの中心性及び包含性を維持することの重要性を強調し,次回ASEAN首脳会議でのRCEP協定交渉の開始を期待した。
【参考3】ASEAN+1 EPA/FTAの現状
- 現在,中ASEAN,韓ASEAN,日ASEAN,印ASEAN,豪・NZ ASEANの5つのASEAN+1(ひとつの域外国) のEPA/FTAが発効。
- 中ASEAN : 05年7月 物品分野発効,07年7月 サービス分野発効,10年1月 投資分野発効
- 韓ASEAN: 07年6月 物品分野発効,09年5月 サービス分野発効,09年9月 投資分野発効
- 日ASEAN: 08年12月より順次発効
- 印ASEAN: 10年1月 物品分野発効
- 豪・NZ ASEAN: 10年1月発効
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