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【神奈川】

高津のエスカレーター事故 立件で被害女性「市の警備体制に憤り」

女性が指を切断する事故が起きたエスカレーター

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 昨年十二月、川崎市高津区のJR武蔵溝ノ口駅前のエスカレーターで同区の女性(56)が指二本を切断する重傷を負った事故で、エスカレーターにウイスキーの瓶を捨て原因をつくったとされる会社員の男(48)が十日、書類送検された。これを受けて、女性が県庁で会見し、管理者である市の安全管理への不信感などを語った。

 女性は切断した指を病院で接合し、現在、リハビリ中。事故後、エスカレーターや電車に一人で乗れなくなったという。

 市は女性に、エスカレーターに物がはさまった場合、ブザーが鳴り、警備員が駆けつけるようになっていると説明したという。しかし、女性は「ブザーは鳴らなかったし、救急車で運ばれるまで警備員の姿を見なかった」と振り返り、「市の警備体制に憤りを感じる」と語った。

 また、安全確認の上で四月にエスカレーターを再開したとする市に、「指が引っかかったビスを直しただけで安全確認できたとは思わない。事故が二度と起こらないため、一歩進んだ対策を取ってもらいたい」と苦言を呈した。

 高津区によると、エスカレーターは乗降者の靴がステップに挟まれるなどの異常をセンサーが感知した場合、緊急停止する。ただ、女性が手すりに指を挟まれた今回の事故では、センサーが反応しなかった。

 結果的に、警備員が事故に気付くのが遅れたが、区は「一時間おきに警備員が巡回しており、体制に問題はなかった」と強調。一方で、警備員の交代時間帯に事故が起きたことから、ラッシュ時の午前七時半〜八時半は引き継ぎ業務を避けるよう警備会社に要請した。

 瓶が挟まった手すりと壁の間のスペースに「物を置かないでください」のシールを貼るなど再発防止策も講じたが、「スペースは構造的にやむを得ない」と設計上の瑕疵(かし)はなかったとの認識を示した。

 

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