違法ダウンロード:法案 クリックするだけで「犯罪」も
毎日新聞 2012年06月15日 19時30分(最終更新 06月15日 20時08分)
ネット空間には映像や音楽ファイルがあふれる。法曹関係者は、合法・違法を見分けられずにダウンロードボタンをクリックするだけで、誰もが犯罪に巻き込まれかねないと警鐘を鳴らす。
元検事の落合洋司弁護士は「違法ダウンロードをするのは主婦や未成年者も多いのではないか。人気のあるファイルなら10万〜100万回単位でダウンロードされる」と話す。
映像や音楽の権利者が告訴しないと罰せられない「親告罪」だが、落合氏は「いつ誰がダウンロードしたか、権利者には分からない。違法アップロードした業者らの捜査から、たまたま判明した人が警察の情報をもとに告訴され、一罰百戒のように逮捕されることもありうる」と指摘する。
一方、日本レコード協会は「処罰対象は違法配信だと知りながらダウンロードした場合。正しく理解されていないのではないか」と反論する。落合氏は「違法と知っていた場合と、まったく知らなかった場合の間にある“グレーの部分”があいまいだ。未必の故意(状況から知っていたと評価されてもやむを得ない場合)を認定されうる」と懸念する。刑罰化には日本弁護士連合会も反対の会長声明を出していた。