JASRAC:私的独占「無罪」審決
毎日新聞 2012年06月14日 20時21分
音楽の著作権を管理する一般社団法人「日本音楽著作権協会」(JASRAC)が新規事業者の参入を妨げたとして公正取引委員会から独占禁止法違反(私的独占)の排除措置命令を受けた事件の審判で、公取委は14日、「違反の立証が不十分」として命令を取り消す「無罪」の審決を出したと発表した。審決は12日付。公取委の排除措置命令が審判で全面的に覆されるのは18年ぶりで極めて異例。
一方で審決は、今回焦点となった「包括契約」の問題点に言及。この契約では各放送局が前年度の放送事業収入の一定割合(約1.5%)を支払えばJASRACの管理する曲が使い放題になる一方、他の事業者が管理する曲には別途使用料がかかることから「JASRAC以外の事業者が管理する曲の使用を抑制する効果がある」と指摘した。
公取委は09年2月、新規参入したイーライセンスが著作権を管理していた歌手、大塚愛さんの「恋愛写真」のケースを挙げ、「放送局側が追加負担を避けるためにほとんど放送しなかった」として、包括契約について独禁法違反を認定し、排除措置命令を出した。JASRACはこれを不服として審判を申し出ていた。