【ワシントン平地修】米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは１３日、スペイン国債の格付けを「Ａ３」から、投機的水準の１段階上の「Ｂａａ３」に３段階引き下げたと発表した。欧州連合（ＥＵ）からの支援により、スペイン政府の抱える借金が大きく膨らむと判断した。スペインの金融機関の不良債権問題や財政状況によっては、３カ月以内に再格下げする可能性があることも明らかにした。

　◇「投機的水準」手前

　ＥＵは９日、スペインの銀行の資本増強を目的に最大１０００億ユーロ（約１０兆円）を支援すると表明。支援の詳細な枠組みは決まっていないが、ムーディーズはスペイン政府がいったんお金を借りる形になるとみて「金融危機以来、劇的に増大した債務負担が更に増えることになる」と指摘した。国債利回りの上昇などで、スペイン政府が市場からお金を借りにくくなっていることや、国内経済が停滞していることも格下げの理由に挙げた。