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2.公民権運動と黒人音楽/11.テンポダウンするファンク

2009年8月30日 土蜘蛛 | コメント(0)

 JBのファンク・ビートはシャープでスピーデイ―な熱気にあふれるビートであり、初期ファンクバンドはジャズ上がりのミュージシャンが多かった事もあって、皆JBを手本としていた。

 そんな中、独自のビートを創り出したのがP-ファンクだった。初期こそはJBバンド出身のべーシスト、ブーツイー・コリンズの加入もありJB的ビートだった彼らは、次第にそのテンポをゆったりとした物に落として行った。そのテンポはかつて「ソウル」の時代ならば「バラード」に属す落ち着いた感傷的な物にしかならないテンポだったが、Pファンクは、そのテンポでも「エネルギー」と「グル―ヴ」を失うことなく、むしろJBよりもディ―プで息の長い、より客をトリップさせる効果を持ったものだった。これはロックやブギの様な「早い」音楽で客をトリップさせることよりも難しいのだ。

 この「遅いグルーヴ」の発明は、70年代後半にはファンクの新しいスタイルとしてすっかり定着し、JBのハードなファンクはむしろ時代遅れの懐かしいビートとなった。そしてこの「遅いグルーヴ」は、現在でもヒップホップ・R&B等のブラックミュージックのテンポに受け継がれているのだ。

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