松下金融相死去:金融庁幹部に衝撃 AIJ事件などに対応
毎日新聞 2012年09月10日 21時07分(最終更新 09月10日 21時14分)
10日に死去した松下忠洋金融担当相は、09年9月の民主党政権誕生後、副経済産業相などを歴任。今年6月の金融担当相就任後は、AIJ投資顧問の年金消失事件に対応した規制強化や、日本の株式市場の信認を揺るがせた企業の未公表の公募増資をめぐるインサイダー取引問題の解決に意欲的に取り組んだ。3件もの増資情報を漏らした野村証券の親会社の野村ホールディングスがトップの減給などで幕引きを図ろうとした際、松下氏は記者会見で「野村が自浄能力がきちんと発揮するか刮目(かつもく)している」と言明。金融行政トップとして事実上、経営刷新を迫った。
また、株式や商品などの取引を一体的に扱う総合取引所実現に不可欠な金融商品取引法(金商法)の今国会での改正にも注力。改正法成立を受けた今月7日の記者会見では「大変混乱した国会の中で成立できたのは大変な喜び。しっかり前進させたい」と、金融改革に熱意を示していた。