■挺対協の「立場」と被害者
▽10年以上も(挺対協と)騒いでも何にもならなかった─ハルモニが国会証言 2004.10 *写真・0403日本大使館前デモ600回。すでに運動の古典
▽アジア女性基金終了にあたっての挺対協「声明」
▽日本軍「慰安婦」問題に関連して―韓国政府に送る公開抗議書 2002.4.19
▽「国民基金」の事業延長に対する韓国挺身隊問題対策協議会の立場 2002.2.21
■資料 挺対協の言動
▽アジア女性基金受け取るな
▽ハルモニたち、民族・統一運動に
▽「自分で行った公娼」(売春婦)
▽「自ら二度もお金で売られた奴隷」(市民連帯)
▽裏切るな
▽入国禁止働きかけ
▽被害者いじめ
*参考・挺対協のスローガン、組織・人事
挺対協に対するアジア女性基金からの回答、見解は、「基金」ホームページ http://www.awf.or.jp
■挺対協の問題
・運動体が被害者たちに意思を拘束する指示と監視、従わない者に対するいじめ(差別)
・「基金」を受け取れば「自ら進んで行った売春婦」と文書、発言(二重差別)
・韓国人補償裁判を進めてきた日本のNGO一人を政府に働き掛けて「入国拒否」させる(本末転倒の民族主義)
・募金に失敗。韓国政府に働き掛け「基金」に相当する一時金を出させ「カネ対カネ」の構図で運動(主張を被害者から支持されず)
・「基金」に対抗的に被害者たちへのケア部門を立ち上げたが、活動なし(運動であって被害者支援なし)
・「基金」に関して意図的な曲解や誤った情報を流布する(デマとウソで組織防衛)など
つまりは─
・運動の方針を「慰安婦」被害者に押しつけ、「基金」を受け取らせないための「反日運動」
・この挺対協運動を「正義」として崇めすり寄る、自らの運動で結果を生まない日本の無責任な「運動」がある
(=自己肯定と自己否定「意識」のもたれあい)
*以下の資料について反対資料をもって間違いであると指摘・反論があれば訂正あるいは併記する。
「10年以上も騒いでも何にもならなかった」「慰安婦記念館建設を」──元慰安婦の70代女性が主張
朝鮮日報 : 2004/10/22
「日本を全てあげると言われても、お金では解決できない。日本政府の真の謝罪と、それによる賠償がなくてはならない」 「日本に良心があるなら、韓国に(慰安婦関連)記念館を自ら建てるべきだ。しかし謝罪する気持ちがない日本がそうするわけがない。そのため韓国政府に記念館を建ててほしいということだ。こうしたことが繰り返さないように」
22日、国会・統一外交通商委員会の外交通商部に対する国政監査で日本軍慰安婦として連れていかれたというキル・ウォノク(77)さんの証言が会議場を粛然とさせた。
権永吉(クォン・ヨンギル)議員(民主労働党)の要請で国政監査場に証人として出席したキルさんは「今、余生がいくらも残っていないが、これまでの恨(ハン)を晴らせてほしい。一言も謝罪の言葉を、真実の謝罪の言葉を聞くのが願いだ。真の謝罪を受けたい。皆さんに助けて欲しい」とハキハキとした語調で話した。キルさんは続いて「皆は(1945年に日本の敗戦により韓国が日本の植民地支配から)解放されたといって『大韓民国万歳』を叫んでいたのに、私たちは隠れているしかなかった」と過去を振り返った。
また「10年以上も(挺身隊対策協議会とともに)騒いでも、何の効果もない」とし、「盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が(慰安婦問題に)乗り出してほしい」と要請した。
ハンナラ党の田麗玉(チョン・ヨオク)議員は「“従軍慰安婦”(comfort
woman)という表現は適切でなく、“性奴隷”(sexual slave of Japanese army)に用語を統一すべき」と求めた。これに対し韓国挺身隊問題対策協議会は「“従軍慰安婦”という言葉は正しい表現ではなく、日本軍“慰安婦”に統一している」と訂正した。権議員は「国を奪われ13歳で慰安婦に連行されなければならなかったお婆さんを(国政監査の)証人に招いた現実が」とし、「(慰安婦)記念館建設は子孫たちの正しい歴史教育と過去史清算のため絶対に必要だ」と強調した。
潘基文(パン・ギムン)外交通商部長官は「政府の責任を大きく感じ、戦争時に性的奴隷行為を強制したのは国際法に反する重大な不法行為」とし、「今でも日本政府に責任があると考え、過去を直視しこれを基に日本と未来志向的な関係を築いていきたい」と述べた。
国会・統一外交通商委員会はこの日午後、ヨルリン・ウリ党の韓明淑(ハン・ミョンスク)議員が発議した「日本軍慰安婦の名誉と人権回復のための歴史館建立」決議案を満場一致で採択している。──チョソン・ドットコム
▽「日本軍慰安婦の名誉と人権回復のための歴史館建立」決議、2004年11月12日韓国国会で決議
日本軍「慰安婦」問題に関連して―韓国政府に送る公開抗議書 2002.4.19
韓国政府はさる4月17日、ジュネーブで開かれている第58次国連人権委員会で、女性への暴力と歴史教科書問題などについて言及した。
しかし、今回の発言で韓国政府は昨年57次国連人権員会での発言とは違い、日本軍「慰安婦」という用語さえ使用しなかったばかりか、教科書歪曲問題についても「歪曲(distortion)」という用語の替わりに「認識(perception)」という表現を使用するなど、対日攻勢の水準を大幅に後退させた。
特に、日本政府が国際的な非難と法的責任を回避するためにつくった「女性のためのアジア平和国民基金」(以下国民基金)に対してもまったく発言せず、たんに「クマラスワミ特別報告官報告書の勧告内容をすべての国家が履行することを求める」というあいまいな発言で、日本政府の直接的な責任追及を回避した。
これは、この間日本の「国民基金」と日本政府が宣伝してきた「韓国内での被害者に対する『国民基金』支給活動を韓国政府が黙認した」ということを認証するものではないのか?そればかりか、日本右翼が主導し、日本政府が後押しして進行している日本の教科書歪曲問題と、最近の独島(竹島)に対する日本領有権主張をそのまま認定するものではないのか?すべての国民が怒っているのに、なぜ我が政府だけが日本政府の肩を持ってやるのか?そうやって責任を回避するために「韓日歴史共同研究委員会」は組織されたとでも言うのだろうか?
国連人権委員会で、世界各国の政府代表と民間団体が参席した席で、韓国政府が見せたこのような非自主的な外交政策によって我が国民の名誉と自尊心は大きく傷つけられた。私たちは我が政府が日本軍「慰安婦」問題を解決するため、日本政府に対して国連人権委員会特別報告官たちの勧告どおり、被害者に謝罪と法的賠償を実施することを強く求めるよう要求する。
また、日本が法的責任を回避するため行っている「国民基金」と「歴史歪曲」に対しても強く対処し、正しい韓日関係を主導していくことを求める。
2002年4月19日 4・19 42周年
韓国挺身隊問題対策協議会
(KNCC女性委員会、ZONTA、監理教女教役者会、監理教女性教会、
キリスト教女民会、アジアキリスト教女性文化研究員、女性教会、韓国女性民友会、
韓国女性の電話連合、礼装女教役者会、梨花民主同友会、全国女子大生代表者協議会、
挺身隊研究所、天主教女性共同体、韓国教会女性連合会、韓国女性団体連合、
韓国女神学者協議会、韓国女性修道会連合会、慶南挺身隊連合、平和を創る女性会)
韓国民主女性会訳、MLに公開提供されたもの。
「国民基金」の事業延長に対する韓国挺身隊問題対策協議会の立場
2月20日、「女性のためのアジア平和国民基金(国民基金)」は記者会見で、5月1日まで韓国の「慰安婦」ハルモニの申請を受け付けた後に韓国での事業を終了すると発表した。この措置は1月10日の韓国での事業延期の発表に対する挺身隊問題対策協議会と日本の40余の市民団体の抗議がもたらしたものである。
しかし、3年間停止してきた「国民基金」の支給を70日間再開するということであり、再び韓国の「慰安婦」ハルモニたちを誘惑して受け取り者数を増やそうと目論んでいるとしか考えられないのである。
挺身隊問題対策協議会は「国民基金」の事業延長に対して強く抗議し、以下のとおり要求するものである。
1、「国民基金」は5月1日まで(の)事業を直ちに中止し、解体せよ。
2、これまで被害者の声を無視して事業を強行し、被害者間に分裂をもたらし名誉を傷つけたことに対して深く反省し、謝罪せよ。
3、日本政府は「国民基金」による欺瞞的な活動を中止して直ちに公式謝罪と法的賠償を行え。
4、韓国政府は「国民基金」の支給額に相当する金額を被害者たちに支給し、「国民基金」の支給に対抗してきた。それゆえ、韓国政府も国民基金の70日間の事業延長に対して抗議すべきである。
5、国民を代表する(韓国)国会議員たちも、この間2度(93年、97年)にわたって「ハルモニたちを支えよう」と韓国国内で繰り広げられた募金運動に熱心に参加した韓国国民の意思に従い、「国民基金」の韓国での事業延長に対して抗議をすべきである。
2002年2月21日
(社)韓国挺身隊問題対策協議会
共同代表 金允玉・池銀姫・鄭鎮星(キム・ユノク、チ・ウニ、チョン・ジンソン)
アジア女性基金「受け取ってはならない」
挺対協の尹貞玉(ユン・ジョンオク)共同代表
1996年10月18日夜のKBS(韓国放送公社)ニュースでのインタビュー
尹氏は元梨花(イーファ)女子大学校英文科教授
○「日本側は、ハルモニ(おばあさんの意)たちに200万円ずつ提供するといっていますが、これを受け取ってはなりません」
○「日本政府が犯した罪を認めず、代わりに国民基金が国民から募金して、慰労金のような形式でハルモニたちにお金を渡すことです。このような行為は、自らの犯罪を認めず、ハルモニたちを初めから売春婦扱いすることです。ですから、われわれは受け取ることができません」
*当事者ではない個人が(団体を代表し)当事者全体の意思であるかのように発言して、被害者たちを拘束、世論を誤導。
「慰安婦」問題で民族・統一運動?
「ハンギョレ21」125号,1996年11月
挺対協・李効再(イー・ヒョジェ) 元共同代表インタビュー
李氏は元梨花女子大学校教授
○(国連人権委、国際会議等)「ハルモニらはこのような活動を通して、いまや民族問題に目覚め、民族運動に主体的に参加する活動家となったのです」
○「…そしてあるハルモニは統一運動の先頭に立つことを心に誓っており、機会あるごとに参加しようとしています。しかして、ハルモニらは今や挺身隊運動によって民族史を正しく立て直すというところで、自分たちの役割を充分に果たしたのです」
*ハルモニたちは民族運動の「活動家」「統一運動家」という見解。元「慰安婦」たちはどう受け止めるか。
「『償い金』を受け取れば、志願して出ていった公娼」
挺対協・尹貞玉共同代表、1997.2.27「市民連帯国際セミナー」文書、発言
ソウル鍾路区(チョンログ)、興士団(フンサダン)講堂
表題・日本軍「慰安婦」問題、いまここに来ている(報告文)
「罪を認めない同情金を受け取ったら、被害者は志願して出ていった公娼となるのであり、日本の罪は消えてしまうのである。そういう意味で、同情金である日本の国民基金ではなく真心を込めて集めたわれわれの誠金を差し上げようとしているのである。そして法的な責任を負う謝罪と賠償をもらおうとしているのである。これは決して簡単なことではない。しかしわれわれは成し遂げなければならない。そのためにまずわれわれは『強制連行された日本軍「慰安婦」問題を解決する市民連帯』を設立し募金を始めたのである。」
*「慰安婦」とさせられた女性が日本から「償い金」を受けたら「公娼」となる、ただの「売春婦」となるのだとの見方は、尹代表によって繰り返し発言され、書かれている。
人権活動家が侮蔑、差別として「売春婦」といい、それをそのまま「慰安婦」に対して向ける。「慰安婦」と名乗り出ても金銭授受=「売春婦」の図式でみることによって、ある種の論調と同じに陥る。
「自ら二度もお金で売られた奴隷」「市民連帯」解散式で公表「ハルモニへの手紙」
(略)
もちろん、日本の「国民基金」側がくれるというお金は、韓国国民が募金した金額に比べると少なくない金です。しかし、おばあさんは、これまであらゆる苦労に勝ち抜いて生きてこられました。日本の「国民基金」の金額が多いとしても、これまでおばあさんが守ってきたプライドを回復することはできません。おばあさんたちの「ハン(恨)」はお金では解けないものです。
おばあさんは、人間らしく生きる権利まで奪われたのです。謝罪の伴っていない賠償金ではない慰労金を受け取ることにより、日本政府に免罪符を与え、自ら二度もお金で売られた奴隷になることはできません。
このような日本のお金を退け、最後までわれわれの要求を叫ぶならば、その事実とおばあさんの名前は、歴史に堂々と記載されると思います。われわれの子孫のみではなく、全世界に伝えられることになり、いまも世界各所で組織的に強姦されている被害者に大きな力となり、かかる犯罪を終息させるのに大きな役割を果たすことになります。また、われわれの子孫は、このようなおばあさんたちを非常に誇らしく思うでしょう。(以後略)
1997年5月26日
強制連行された日本軍「慰安婦」問題の解決のための市民連帯
常任代表 呉在植
以下会員団体連名(韓国挺身隊問題対策協議会など)
「『基金』を受け取ることは韓国政府、国民、挺対協への裏切り行為」
ソウル、日本大使館前デモで挺対協・尹貞玉共同代表発言1998.11.18
○最近、一部のハルモニの間で、基金(アジア女性基金)の「償い金」を受け取ろうとしている者がある。
○これはハルモニが自らの自尊心を捨てる行為であり、韓国政府、財源を提供した韓国国民、募金を集めた挺対協への裏切り行為である。
○基金はいまでもハルモニ個人に直接接触を試みカネで誘惑し、われわれの運動を分裂させようとしている。
○これは断固として阻止しなければならない。もしもハルモニに何らかの誘いがあればすぐに自分に連絡してほしい。基金のカネはどうか受け取らないでいただきたい。
挺対協がハッキリ会代表の韓国入国禁止働きかけ
一時金協力運動家、韓国入国禁止に
1997年07月24日・共同から
【ソウル23日共同】 韓国政府筋は二十三日、日本の「女性のためのアジア平和国民基金」(原文兵衛理事長)が今年一月に韓国の元従軍慰安婦に一時金などを支給した際に協力した日本の女性市民運動家に対して、韓国政府が十四日付で入国禁止措置を取ったことを明らかにした。
韓国政府が同基金に関連した活動で入国禁止措置まで取るのは異例のことで、今後、日本側の元従軍慰安婦への償い事業に影響を与えるとみられる。
入国禁止措置の対象となったのは「日本の戦後責任をハッキリさせる会」の臼杵敬子代表(49)。臼杵代表は基金の一時金を受け取りたいという元慰安婦の要望を同基金に伝えるなどし、基金活動の懸け橋的な役割を果たしてきた。基金の一時金支給に反対している「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)などが四月、臼杵代表の韓国入国を認めないよう韓国法務省に要求、韓国政府がこれを受け入れる形となった。
*この記事について「挺対協」は何の反応もしていない。日本での記者会見で報道は事実かと問われた際、尹貞玉、金允玉両共同代表は、「失礼な質問だ。人権の視点にたつという公的報道機関にあるものとして、記者魂はどうしたのか」とはぐらかして答えず、結局、事実を否定しなかった。
この措置は1999年に解除されたことが判明した。
韓国で被害者いじめ
受け取り7人に深い心の傷、批判浴びて韓国元慰安婦
共同通信 1997年6月20日配信より
日本の「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金、原文兵衛理事長)による元従軍慰安婦への償いの事業で、韓国の元慰安婦七人が今年一月に一時金を受け取ったことに対し、国家賠償を求めて民間基金は受け取るべきではないとする韓国内の支援団体やマスコミが猛反発、七人は厳しい批判にさらされ続け、心に深い傷を受けている。
追い打ちをかけるように、最近、元慰安婦支援のために行われた市民運動の募金で、七人だけが対象者から外された。七人は「同じ被害者なのに」と不当性を訴えている。
一方では、七人に続いて一時金の受け取り希望の意向を漏らす被害者が出るなど新しい動きも出ている。
韓国では七人が一時金を受け取ると、受け取りを拒否している一部の被害者が韓国政府に対し、七人には政府の生活費支援(月五十万ウォン=約六万四千円)を中止するよう求めた。さすがに、これには韓国政府が「そういうことはできない」と回答したが、七人への風当たりは想像を超える厳しいものだった。
韓国では昨年十月に約四十の市民運動団体が「日本軍慰安婦問題の正しい解決のため市民連帯」を結成、基金の一時金と同額を被害者に支援するため三十億ウォン(約四億円)を目標に募金活動を行った。しかし集まった募金総額は約五億五千万ウォンにとどまった。
市民連帯では、募金は百五十一人の元慰安婦と中国から帰国の元慰安婦四人の合計百五十五人に一人当たり約三百五十万ウォン(約四十八万円)を支払う予定だ。しかし、基金から一時金二百万円と医療・福祉事業費三百万円の計五百万円を受け取った七人には募金の配分をしない方針だ。
七人の一人、金田きみ子さん(75)=仮名=は「同じ苦しみを受けた元慰安婦なのに、なぜ差別されなければいけないのだ」と怒りをぶつける。
また別の老女(75)は「一時金をもらった時、市民運動をやっている人や記者が押し掛けてきて「なぜ汚い金を受け取るのか」と責められた。しかし、年老いて身寄りもなく、世話をしてくれる人もいない私が、基金を受け取ることがそんなに悪いことなのか」と嘆く。
アジア女性基金の呼びかけ人の一人、和田春樹東大教授は「七人が民族の自尊心を傷つけた存在として扱われるのは深刻な事態だ」とし、韓国の関係者に手紙を送り、七人にも募金を配るよう訴えた。
被害者の中には、市民連帯の募金を受け取った後に、基金の一時金を受け取ろうという動きも出ている。支援団体の一つ、韓国挺身隊問題対策協議会では「募金に加え、基金を受け取る人が出ればどうするか、議論の対象にはなったが、これという結論は出ていない」と言う。
元慰安婦の大半は七十歳以上の高齢で身寄りがない。一時金を受け取った七人も同じ境遇だが、支援団体とのあつれきと不信は深まるばかりだ。(平井久志・ソウル共同記者)
*挺対協 チョン・デ・ヒョプ=韓国挺身隊問題対策協議会
Korean council for women drafted for military sexual slavery by Japan
韓国の「慰安婦」問題に取り組む運動団体(20数団体で構成)。
2002年時点での構成団体──
KNCC女性委員会、ZONTA、監理教女教役者会、監理教女性教会、キリスト教女民会、アジアキリスト教女性文化研究員、女性教会、韓国女性民友会、韓国女性の電話連合、礼装女教役者会、梨花民主同友会、全国女子大生代表者協議会、挺身隊研究所、天主教女性共同体、韓国教会女性連合会、韓国女性団体連合、韓国女神学者協議会、韓国女性修道会連合会、慶南挺身隊連合、平和を創る女性会
1990年7月挺身隊研究会を結成、つづいて同年11月韓国挺身隊問題対策協議会を結成。運動団体としての活動が中心となる。92年1月から駐韓国日本大使館前で示威行動。アジア女性基金解散、「基金」流入拒否、(募金は)教育に振り向けよ、「基金」との話し合い拒否の姿勢をつづけている。
主張は、「慰安婦」問題につき、
1.戦争犯罪 2.真相究明 3.公式謝罪 4.戦犯処罰 5.資料館建設(慰霊塔建立) 6.被害者への賠償 7.歴史教科書記載。
2000年、共同代表は、尹貞玉(ユン・ジョンオク)、金允玉(キム・ユノク)、池銀姫(チ・ウニ)の各氏。
他に金信實(キム・シンシル)、梁美康(ヤン・ミガン)氏ら。
2001年、金允玉、池銀姫、鄭鎮星(チョン・ジンソン)の3氏代表体制。名誉共同代表・尹貞玉氏。
2002年、金允玉常任共同代表、李キョンスク共同代表体制に。金信實生存者福祉委員長、尹美香(ユン・ミヒャン)事務処長。
2005年、申惠秀 シン・へスー常任代表、尹美香(ユン・ミヒャン)事務処長
2006年新体制 共同代表 申恵秀、ユン・スンニョ、ハン・クギョム(移住女性人権センター代表)
生存者福祉委院長チョン・テヒョ牧師(女性野宿人休息の場代表)、国際協力委院長姜恵?(カン・ヘジョン)、対外協力委院長崔オクスン修道女(韓国女子修道会杖傷連合会)、教育委員長ハン・ウソプ(女性の電話聯合広報委院長)、金インスク(東北女性民友会代表)、財政委員長金ソンシル(新しい世の中を開く天主教女性共同体代表)、書記チョ・ユニ(女聖教会担任牧師)
事務総長 尹美香、監査 チョン・ポヨン牧師・朴ノスク
*
挺身隊研究所 李聖順(イ・ソンスン)所長
*
大多数のハルモニたちは、アジア女性基金を拒否している、と挺対協は主張する。運動体が被害者を代弁できるかのようにいっている。
しかし、同団体と挺身隊研究会がハルモニたちの聴き取りをし、その調査の詳細を出版の形で公表した人数は34人(第1回19人、第2回15人=出版)に過ぎない。韓国政府登録の生存者は140人以上(
98.5.時点では現生存152人、韓国政府登録者数186人、うち死亡34人)だというが、そのうち100人以上について、その被害事実や個人(仮名でも)を公開できていない。
しかも証言集に出した34人のうちには、「基金」を受け取ったハルモニたちや亡くなった人たちが入っている。この人たちは、かなりしっかりした証言事実があることになる。
ほかの「慰安婦」被害者100人以上のがどのような事実を証言し、補償」を要求しているのか、あるいは「基金」には反対であるとの意思表示をしているのかを、ハッキリと裏づけのある資料などをもって公表したことはない。
(2002.、挺対協傘下の団体が、192人の証言集を出すと新聞記事が出た。
政府・女性部の協力を得て、と報道され、政府しか資料がなかったことがわかる。その証言集は、まだ公刊されていない。)
被害者の大多数を掌握できていない運動団体が、しかもどんな委任も受けずに、代弁するかのように公表する「被害者の意思」には、はじめから疑問符がついている。