飲酒:「酒が飲めない」と泣く新入生に先輩は…

 本紙が行ったアンケート調査で、大学1-2年生の64%が「先輩が勧める酒を無理して飲んだことがある」と回答した。しかし、新入生のときに同じように先輩から無理やり酒を飲まされ、つらい思いをしたはずの3-4年生の60%が「後輩に酒を勧めたことがある」と回答した。その理由について、先輩たちは「酒の席の雰囲気を盛り上げるため」と説明している。最近の大学生はあまり酒を飲まないという話も聞かれるが、本紙が取材を行ったところ、大学生の酒豪は逆に増加しており、行動も過激になっているケースが数多く見られることが分かった。

■「飲めないと言うな、うちの学科の伝統だ」

 今年3月にソウル市内にある女子大学の演劇映画科に入学したLさん(19)は、今でも新入生歓迎会のことを思い出すとぞっとする。この日は先輩から「金曜日午後6時までに講義室に集まれ」という指示が伝えられた。

 「机の後ろに3列に並んで座れ。早く動け」

 先輩から強い口調で命じられた新入生たちは、手に1本の焼酒(韓国式焼酎)を持たされた。

 「今から、前の列から順番に立ち上がって一気飲みをする。全員が一つになるための学科の伝統だから、“酒が飲めない”とは言うな」

 誰一人として反抗もできないまま、先輩の「飲め」という言葉と同時に飲み始めた。1人が顔をしかめながら焼酒の瓶を口から離すと「何してるんだ。早く飲め」という怒鳴り声が響いた。泣いても容赦なかった。あちこちから新入生の泣き声が聞こえたが「めそめそしないで飲め」という言葉が何度も繰り返された。

 Lさんはその場にいることが耐えられなくなり、瓶を床に置いて逃げようとした。すると、ある先輩がさえぎり「ここから出たらお前は学科から除名だ。卒業するまで仲間外れでもいいのか」と言った。結局Lさんも泣きながら1瓶を飲み干した。

 3列目まで全員飲み終えると、先輩たちは1列目に再び焼酒1本を持たせた。1人が合計3本を飲まなければならないらしい。Lさんは2本目を2-3口飲んだところまで覚えていた。その後は学科の部屋で死体のように横たわる新入生の間から起き上がった記憶しかない。

パク・サンギ記者
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