ずばり勝負

対中韓戦略:軍事強国日本の強国ゆえのジレンマ

李明博帝国主義のとんでもない謀略「日本=ナチスドイツ」キャンペーン~佐藤優氏

2012.09.07(金)

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 国際情勢はここに来て帝国主義の時代になりつつありますが、今の韓国に帝国主義を実践するまでの力はない。でも歴史問題のカードを切れば、日本に対してなら韓国の言い分をすべて通せる、ということでしょう。

 対日強硬路線を印象づけることをとっかかりに、韓国帝国主義の礎を作る。仮にそれで逮捕されるようなことがあっても50年後には国家中興の祖として評価されるだろう・・・李明博はそれぐらいのことを考えてますよ。

ロシアと手を組んで中国、韓国を牽制せよ

「マット安川のずばり勝負」スタジオ風景/マット安川、佐藤優、加藤知華/前田せいめい撮影

 日本は竹島問題を国際司法裁判所に提訴することで大きな騒動にしようとしています。これにより世界が紛争の存在を認めれば、韓国も認めざるをえないことになる。

 親書を送り返すというのは外交上とんでもない非礼ですが、韓国はそれくらい紛争の存在を認めたくない、話を聞いていないことにしたいということです。

 一方の尖閣問題では、日本は領土問題の存在を否定する立場です。それに対して中国は、とにかく問題があることを認めて話をしようじゃないかと言っている。

 韓国とは話そうと言い、話そうという中国を受け付けないのでは、筋が通りませんよね。これは一回、戦略を組み替える必要がある。

 そこでポイントになるのがロシアとの関係です。ロシアも北方領土をめぐって圧力をかけてきているように言われます。しかし、特に今になって反日レベルを上げているわけではない。

 9月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)を前に、ロシアは日本に好意的な中立であり、韓国とも中国とも組まない、という意味のメッセージを届けてきてもいます。

 彼らは親日というわけではなく、アジア太平洋地域に出てきて金儲けがしたいんです。そのためには平和と安定が必要で、あそこでコトを荒立てているのは中国と韓国だと、情勢を冷静に見ています。

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