栗城史多×安藤美冬 【第3回】 「僕は普通のお兄ちゃん。でも、いつか自分の登山を世界的なお祭りにしたい」

2012年09月09日(日) 安藤 美冬
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栗城: そういうところはありますね。ただ、確かにスポンサーさんは、栗城という登山家を支援することの広告的な効果を計算するわけですけど、最終的には担当の人をはじめ、個人の思いでやってくれているんです。それは本当にありがたいことだと思います。

安藤: わかります。私も企業にいたときは、宣伝部という、会社のお金を出すセクションに所属していましたから。

 たとえばアスリートのスポンサーになるとき、「お金を出しているんですから、結果を出してください」とはもちろん言いますよ。企業の人間としては言わなければならないことだから。でも、本音を言うと、まず個人として応援しているんです、そのアスリートの夢を。

エベレストに登頂して、ちゃんと下山してきたい

栗城: 今、10社くらいが僕のスポンサーさんになってくださっているんですけど、そのうち、大きな代理店さんが入っているのはほとんどない。企業の方との個人的なつながりから支援していただいているケースばかりなんです。大手企業の副社長さんと出会ったことがきっかけで、その会社がスポンサーになってくださったというところもあります。

 ただ、僕は強引に企業の人と個人的な関係を作ろうとしたことはないんです。相手の立場とかに関係なく、毎日お会いする一人一人を大切にしながらやっていたら、人のつながりができ、そこからスポンサーさんの方と出会って、「君を応援するよ」となった。だから、決して「金を出すから絶対に登頂しろ」という感じではなくて、「一緒にやっていこうよ」みたいにサポートしていただいているんです。嬉しいことです。

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