栗城史多×安藤美冬 【第3回】 「僕は普通のお兄ちゃん。でも、いつか自分の登山を世界的なお祭りにしたい」

2012年09月09日(日) 安藤 美冬
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安藤: でも一方で、7400mの山の上でカラオケを歌っているところを世界中に発信しているわけで……。

栗城: ああいうのは別に、何か企画会議とかやって決めているわけでもありません。根源にはずっと「つまらないことはやりたくない」「やっぱり面白いことをやりたい」という気持ちがあって、そこから思いついたアイディアをいろいろな人に話していった結果、カラオケになったという感じです。

 ただ、山の場合は持っていく荷物の重さがとても重要になります。少しでも軽くしたいわけです。軽くて、しかもみんなと多くつながれて盛り上がれるものと言ったら、マイクくらいしかないと思った(笑)。そこでカラオケというのが出てきたんです。

 他にも、もっとくだらなくて面白い企画をいっぱいやりたいと考えているんです。そうやって自分のエベレスト登山を、「世界7大祭り」の一つになるくらいの楽しいイベントにしたい。

 よくありますよね、スペインの牛追い祭りとか、始まると何が起こるかわからないのをみんなで面白がって見るお祭り。僕のエベレスト登山も、あんな風に年に一度、世界中の人たちにユーストリームなんかで見て楽しんでもらう。そんなお祭り的なイベントを目指したいと思っています。

スポンサーさんも、個人の思いで支えてくれている

安藤: さて、そろそろ終わりの時間も近づいてきましたけれども……。

栗城: あの、今日は僕が来てよかったんですか。大丈夫ですか。

安藤: 全然、大丈夫ですよ。 

栗城: そう言ってもらえて安心しました。

安藤: これから自分の登山をお祭りみたいにしていきたいというのはすごく良いことだと思うんですけど、最近の栗城さんを見ていると、かなりプレッシャーを受けているんじゃないかという気がします。プレッシャー感が伝わってくる。だから応援のメッセージとしても言いますけど、もっとリラックスして楽しくやってほしいなと思うんです。

 それと、今日改めて思ったのは、栗城さんの最大の魅力は「グルーヴ感」にあるということ。グルーヴ感って、周囲との一体感とか、あるいは疾走感という意味なんですけど、栗城さんは全力で走っている姿を見せていますよね。

 AKBも似ているかもしれないけど、北海道から一人で東京に出て来て、何もないところから人とお金を集めて、たった一つの夢をかなえていくストーリーを実現していっている。それをみんな応援しているわけですよね。

 もちろん、スポンサー企業からお金をもらって登っている以上、結果を出さなきゃいけないという重圧もあって、それで走っている部分もあるかもしれませんけど……。

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