栗城史多×安藤美冬 【第3回】 「僕は普通のお兄ちゃん。でも、いつか自分の登山を世界的なお祭りにしたい」

2012年09月09日(日) 安藤 美冬
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 そのうち精神的にも肉体的にもきつくなって、病院に行ってみたら、「うつの傾向があります」と診断されました。今はもうよくなりましたが、自分でも「ちょっと無理しているかな」と思ったことはありますね。

 でも、ナチュラルローソンばかりに行っているうちに、店員さんにカミングアウトされたことがあるんです。「栗城さんですよね。何度か講演を聴きに行ったことがあるんです」って。あのときは焦りましたね。もし変な雑誌を買ってたりしたら、「栗城があんなものを買ってる」なんて思われて、やばいじゃないですか。もちろん、買ってないから大丈夫ですけど(笑)。

安藤: ナチュラルローソンに行っていることは、ツイッターでもよくつぶやかれていますよね。

地上では、すべてをオープンにできないストレスがある

栗城: でも最近、ツイッターはちょっとつまんないと思っています。つぶやきたいことがつぶやけない。これが嫌なんですよ。

 昔、僕はよく冗談で「うんちを食べたい」とつぶやいていたんです。ところが最近は、「エベレストを目指して頑張っている栗城」というイメージが定着したせいで、ツイッターでこれをやると、「栗城は頭がおかしくなったんじゃないか」と言われる。昔みたいに、パッとひらめいたバカバカしいことを冗談としてつぶやきたいのに、それができなくなってしまった。

 僕も自己演出をしていることはしているんですが、その呪縛のように、好きなことをつぶやけなくなってしまったわけです。

安藤: それはかなり極端な話だと思いますけど(笑)、つぶやきたいことがつぶやけないっていうのはありますよね。私も、ツイッターのフォロワーが1万人を超えたくらいから、つぶやけないことも結構増えてきた。

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