実践的オブジェクト指向設計入門21
オブジェクト指向方法論OMTが書かれた時代には、並列タスクはあまり一般的ではありませんでした。それ故、オブジェクトをタスクと見做し、それを並列に扱う事しか書かれていません。しかしながら、今現在は並列タスク制御が一般的ですので少し書き足します。
オブジェクトは一つのタスクと看做せます。また、一つの処理を複数のタスクに分けることも簡単です。問題となるのは実装ではなく、どの様に事象を表現して設計するかです。搭載されるCPUのコア数は年々に増加していますが、それでも無限でありません。有限のリソースを、どの様に使用するのかを考えるのが設計です。
具体的には、時間と処理プロセスの関係について分析します。直列的な処理でよい時代は、あまり時間に注意を払いませんでした。しかしながら、並列処理では、タスクが資源を占有している処理区間が非常に重要です。従って、時間に注目せねばならならないのです。
並列処理システムの設計は一大トピックですので、全然書き足りませんが、ひとまず時間と処理の関係について分析する所が要点です。他の事柄については、並列処理全般を学ぶしかありません。実際に並列処理システムを設計すると自ずと分かります。続く...